十二 眠らせてくれ ページ13
「…」
織田作____?
何も無い空間に絵の具を塗り出す様に彼が現れた。
必死に追っても彼には追いつけない。
何かを云おうとしても喉に言葉がつっかえて声が出ない。
ごめんなさい。
『っ…なっさい…』
俯き、私は息苦しさを紛らわす様に手を胸に当てた。
私の床元には
散乱している写真
壊れた写真機
途中までしか書かれていない小説だけが残っていた。
織田作が此方に気付いたのか私の方を振り向き、何かを云っていた。
『織田作____。』
やっと声を出せた。
辺りを見渡す間でもなく、夢から目覚めたと理解した。
『ひ"ゅはっ_…はぁ…』
呼吸が荒く、整えるのに数分かかった様だ…
時刻は六時を指しており、私は顔を洗いに行った。
『…』
何時も通りに着替え、軍刀を腰に掛ける。
軽食を食べ、靴を履き…扉を静かに閉めた。
起きると共に謎の轟音が響いた。
聞こえたのは____国木田さんの寮室。
すぐさま確認しに行った____敵の敵襲と警戒したが____
轟音…もしかして爆弾の?
『…』
b爆弾?
「新人の入社試験に使うものだ…計時機を付けようとしたが急に爆発したのだ。『…新人ごと吹き飛んじゃいますよ』」
『取り敢えず探偵社で作りましょう…此処じゃいい目覚ましですよ…』
私達は偽物の爆弾を手に抱え、寮から飛び出した。
『おはよう御座います…さて…何から作ります?』
「そうだな…外から作ってみるか」
異能で金属を固め、重厚感を出した。
映画で見たそれっぽい配線も付けた。
作り終わった後国木田さんが持ち上げた…が____
「…本物か?」 「本物っぽいですねっ!!!」
効果音が付きそうな谷崎さんを横目に私は爆弾を持ち上げてみた。
作り方は簡単!そっくりそのまま重力操作で重さを調節してるから!
爆弾の重さを誰よりも知っている私が調節しているものだから誰にも気付かれない。
ご家庭でも簡単だね!
『…犯人役は誰にしますか?「私とお兄様がやりますわ!」』
その後_事務員を呼び、事情を説明。
私は非常階段の入口で待機する事になった。
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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月22日 14時