【文スト】もしも君が居たのなら二章 (ページ2)

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一特一級危険異能力者ページ2

『っはぁ…はぁ…此処は…病室っ？』

そうだ…たしかあの後… 七號機関の研究に参加して…

"｢特一級危険異能力者AAを保護します。｣"

実験の結果として壊死し、切り外した右腕を握った。

近くにある日程表を覗いてみると

黒の時代から四年経っていた。

通りで彼は砂色の外套を着ている

『…何をしに来たの…太宰さん』

｢…君に救われたよA…今度は私が救う番だ｣

救ってなんて居ない…引き留めただけだ。

『私は彼や君さえ救える事が出来なかった…もう不可能なんだよ…』

｢それでもっ…君の優しさはマフィアには値しない…っ！｣

『…私は正義には成れない』

だって脆く、弱いから…何があっても何も変われない。

「そうか…君の望むことなんだね」

｢…最後に…織田作の遺品だ…これだけ受け取って欲しい｣

受け取ったのは織田作が作った最初で最後の小説だ…

本の頁を微風が揺らす…そうだ…彼と約束したんだ…

私は目を見開いた。

カモミールが揺れたあの夏

"『君に云われると説得力があるなぁ…一つ、我儘を云ってもいい？』

君の小説が見れない事と…前世の我儘を叶えてやれなかったことだ。

｢お前を救えるなら…どんな願いでも構わない。｣

『君の書いた小説を…見てみたいんだ。』"

『私は…どうすれば…出来る事なんて…無かった』

苦しみを右腕にぶつける__それ以外に私は考えられない程頭を悩ませていた。

苦しい

胸がぐちゃぐちゃになって私の目には全てが濁って見えた。

私は…何をすれば

｢なら、私と来い｣

太宰さんは私に手を伸ばした。

「理由なんて要らない」

『…っ何故貴方は私を救おうとするっ…何故…貴方は…』

『そんなにも優しいんだ…』

目が霞み、涙が溢れてきた。

『分かった…何処までも行く』