ずっとずっと、待っているから【探鉱者】 ページ15
夢主side
「残念ながら…治療法はありません」
この言葉は私に絶望を与えるのには十分だった。
私は病気だ。鉱石病という、治す方法の無い病気。症状が進めば、宝石の中に閉じ込められる。
私は病気を直したかった。その為に荘園に来た。間に合わないのなら、死ぬつもりだった。なのに。
「A、どうかしたの？考え事？」
「なんでもないの、気にしないで」
私は此処で大切な人が出来てしまった。名前はノートンさん。とっても優しくて私の事を大事にしてくれる、大切な恋人。私はもうすぐ、死ななきゃいけないのに。最近、病気の進行の具合が早い。そろそろ決断しなければ。
「ねえ、ノートンさん、別れよう」
「…なんでだ」
「教えない、意味が無いもの」
「…嘘だろ」
「嘘じゃない」
「君は嘘を吐く時髪を弄るくせがあるよ、今も癖が出てる」
「…っ」
そんな癖があったのか。気付いていなかった…
「…何かあるなら話してくれないか」
「…」
…本当に彼には敵わない。仕方なく、私は病気の事を話した。
「…そうか、君はずっと一人で悩んでいたんだな。すまない、気付けなくて」
「…私、もう少しで生きたまま死ぬの。だから、その前に死にたい。永遠に、一人で眠るなんて嫌。」
「…一人になんてさせない」
「え？」
「僕が、君の傍にいる、だから死ぬなんて言うな。いつか、君の病気が治るまで傍にいる。」
「…本当？」
「ああ」
「…嬉しい、ありがとう」
ああ、とても眠い。眠ったら駄目だ。また病気が進んでしまう。眠ったら駄目なのに…。
「…ノートンさん、私とっても眠いの…ごめんなさい、少しだけ、寝てもいい…？」
「ああ、ゆっくり休んでくれ」
「…ありがとう、それじゃあ、おやすみなさい…」
起きても、貴方が傍にいてくれるといいな…
探鉱者side
あの日から彼女は目を覚まさない。眠っている彼女の身体はどんどん宝石で覆われていった。今では彼女の身体は完全に宝石で包まれて、彼女はそこで眠っている。
「ただいま、A」
「今日は逃げきれなかったよ、ミスが多くてね」
「エマが後で花を持ってきてくれるそうだ、見える位置に置いておくからな」
「ウィラも君の好きな香りの香水を作っておくそうだ。後で持ってくるよ」
「…なあ、いつになったら君はそこから出られるんだ…」
「君が出られるようになるまでずっと、ずっと待ってるから…でも、出来るだけ早く俺の所へ帰ってきてくれ…」
奇病とか異状性癖の説明って入れた方がいいですかね…
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ティアラ(プロフ) - 続き気になります！無理をせず頑張って下さい！ (2020年1月25日 2時) (
レス) id: 8ab50052d8 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - ご指摘ありがとうございます。修正させていただきました。気づいていなかったのでありがたいです…。今後ミスがないように気をつけます…！ (2019年10月19日 23時) (レス) id: 80b29a0df2 (このIDを非表示/違反報告)
空 - カヴァンさんではなくカヴィンさんではないでしょうか？ (2019年10月19日 22時) (レス) id: e07e09f1ac (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - コメントありがとうございます！返信遅くなってすいません…頑張って続き書きます！←復讐者と道化師ですね！遅くなるかもしれませんが頑張ります！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 80b29a0df2 (このIDを非表示/違反報告)
海老 - 初コメ失礼します。魔トカゲさんめちゃくちゃ素敵です！続き楽しみにしてます！あと復讐者と道化師も見てみたいなと思ってます…。お願いします！ (2019年8月22日 10時) (レス) id: 4f362d6105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲 | 作成日時：2019年7月4日 22時
