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JKside
ピンポーン
夜7時。
すっかり暗くなったあたりを照らす電灯。
閑静な住宅街に囲まれたところにぽつんとあるアパート、そここそがジン先生の家だった。
ガチャ、という音と共に顔を覗かせる先生はどこか疲れたような顔だった。
「ジョングガ…」
『お久しぶりです、先生』
隣のシュガヒョンを見ても、無表情のまま。
「まあ、入ってよ」
そんなシュガヒョンにも気づかずに先生は招き入れる。
ことり、と置かれたティーカップに手をつけず、ただひたすら先生を見つめた。
『ヌナの場所を、教えてください…!』
そしてそう告げると勢いよく頭を下げた。
すると頭上から声がかかる。
「え…どういうこと?A、今も学校通ってるよね?」
『居なくなってしまったんです…突然、何も告げずに…』
ひゅっと息を呑む音。
そして。
「……あいつ気づいて…」
はっとしたかのような顔になると、先生の顔が絶望に歪んだ。
「いいから、黙ってついてきて。
何も言わずに、いいから」
走り出す先生。
家の鍵も閉めずに、とにかく急いでいた。
シュガヒョンの顔は、相変わらずの無表情だった。
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作者名:茜夏 | 作成日時:2018年4月14日 17時