お祝い ページ14
『師範!只今戻りました!』
ガラッと戸を開ければ、そこに人の気配は無かった。
『あれ、おかしいな..... 』
そう呟いた時、自分の視界に置き手紙が映った。
『えーと.....柱になったから、屋敷が貰えた.....あ、そうだった。柱は自分の屋敷を持てるんだったわ。すっかり忘れてた。』
ご丁寧に地図が描かれていたので、超特急で行くことにした。ただでさえ、おはぎの材料を買うので時間を食ってしまったのである。師範は意外と心配性だからなぁ.....
なんとか1時間位で屋敷に着き、戸を開ける。
『師範!』
「お、戻ったかァ。」
師範は広間らしきところから顔を覗かせた。
『ただいまです。』
「ん、お帰り。」
ワシャワシャと頭を撫でられる。
『で、師範はどうでした?柱任命されました?』
「あァ。」
良かった。私が介入したことで、推しが柱になれなかったらどうしようかって悩んでたんだよね。
『あ、師範。台所をお借りしても?』
「別に構わねぇけど.....何すんだァ?」
『秘密です。覗いちゃ駄目ですよ!』
そう念を押して、台所に入る。前のオンボロ屋敷とは大違いだ。めちゃくちゃ綺麗。
つい癖で『紅蓮華』を鼻歌で歌いながらおはぎを作る。
餡を少し味見した。
『ん、上出来!』
もち米を餡で包んで、綺麗に形を整えて、完成。
『師範、どうぞ!』
「ん.....?」
彼は私の手元にあるおはぎを見て目を丸くした。
『師範の柱就任祝いですっ!』
そう言って得意気に胸を張れば、師範はふっ、と柔らかく微笑んだ。
え、何この笑顔。尊すぎません?とりあえず拝もう、心の中で。←
「気の利く継子だなァ、ホント。」
パク、と一口食べて、また幸せそうに微笑む。
うわ、ヤバい。しんどい。鼻血出そう。
「お前も食え。」
『え?でも___ 』
「いいんだよ。お前の鬼殺隊入隊も祝わなきゃだろォ?」
どこまで優しいんだろうか、この人は.....私を殺す気だな?そうなんだな?
『じゃあ.....いただきます。』
「おう。」
ささやかな、幸せの一時だった。
152人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lynx(プロフ) - たかめいさん» コメントありがとうございます!全部好みだなんて.......嬉しいです(*´ω`*)これからも頑張ります! (2020年5月5日 17時) (レス) id: 5f710f9da6 (このIDを非表示/違反報告)
たかめい(プロフ) - このお話大好きです!キャラの設定から何から全部好みでもう感激です!これからも更新頑張ってください!応援してます!(*^^*) (2020年5月5日 16時) (レス) id: 651a3f3b57 (このIDを非表示/違反報告)
lynx(プロフ) - 蓮莉☆〜(ゝ。∂)さん» 初コメ嬉しいです......!面白いと言っていただき光栄です!これからも頑張ります! (2020年5月5日 16時) (レス) id: 5f710f9da6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮莉☆〜(ゝ。∂) - このお話面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月5日 15時) (レス) id: 4e2f990c90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:lynx | 作成日時:2020年4月13日 17時