＿＿BlueRaven＿＿2

第七十八羽 ページ34

貴)…もう、夜だな…

金造さんの治療を終えて、あたし達は廊下に立って月を見上げてた。

勝)せやなぁ。

貴)飲むか？

あたしは買っておいたボトルのジュースを後ろに立ってる竜士に見せた

勝)おん。
ありがとうな。

貴)ん。

ひょいっとボトルを竜士に投げた。

勝)戻る前に、ちょっと話さへんか？

ボトルを開けながらいう。

貴)なんだ？突然。

勝)べ、別に…あんまりゆっくり話したことないなぁおもて…

貴)珍しいな、別にいいけど。

あんまりいない。

あたしとかかわろうとする人なんて。

貴)ここでいいのか？

勝)別にどこでもええで？

貴)良いんじゃないか？
星や月が、よく見えるよ…

勝)ん、せやったらここにしたらええ。

貴)ん。
で…何が聞きたい？

あんまり、話題がないっていうか。

こういうのわかんないんだよ。

どうしたらいいんだ？？

勝)Aのこと教えてほしい。

貴)あたしのこと？

勝)おん。

貴)なんでそんなこと？

勝)そんなん、し、知らんからにきまっとるやろ。

貴)？
…でも、それは話せない。
今あたしが話せるのは、あたしは上一級祓魔師、祓魔塾の講師であること。それだけ。

勝)…せか。

貴)その代わりに
…一人の女の子の話をしようか。

勝)女の子？

貴)ああ。
これは、とある女の子の話。

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