＿＿BlueRaven＿＿2 (ページ27)

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第七十一羽ページ27

貴)取りあえず、あたしたちは比較的重症の方を見る。

出)はい。

虎)あ…

貴)？

すっと虎子さんが耳打ちする。

虎)一番重症の重造はんと八百造はんゆうひとがおるんやけど、キズがひどいんで…
さすがに生徒さんには…

貴)そんなにひどいんですか？

虎)ええ…

苦笑いする。

ああ、この人も深い傷を負ったんだな。

貴)わかりました。
なら、その一段階下の方の手当をします。その二人はあたしが見ます。

虎)わかりました。
命に別状はないと思います。せやからあとでも大丈夫やと思います。

貴)じゃぁ、子猫、出雲いくぞ

子)一段階下？

出)なんで下なんですか？

貴)大人の事情だ。
大丈夫、あたしがちゃんと治すよ。(ﾆｯｺﾘ

出)はい…

貴)さ、切り替えろ。

２人)はい。

貴)じゃぁ、あたしは基本的に治療、二人は状態を。

子)状態？

貴)ああ。
事前に状態を診ておいてくれれば、あたしもすぐに治療に取り掛かれるだろ？

出)なるほど。

貴)出雲、子猫は２人で。
あたしは一人で行動な。

２人)はい！

＿＿

貴)よし…

？)…

あたしは一人の女性を診ていた。

綺麗な銀髪に、鋭い目。

それでもどこか優しく、誰かを心配しているような様子だった。

？)あの…

貴)はい？

きっと年上だ。

声も落ち着いた感じ。

？)髪の黒い男、診ましたか？

貴)いえ…すみません。
今日来たばっかりで、貴女が一番最初なんです。

？)さいですか…
あぁ、あては蝮言います。

貴)蝮さん、ですか。
よろしくお願いします

蝮)よろしゅうに。

貴)その・・・黒髪の男性、名前は？

蝮)重造、です。

貴)！

蝮)あ、あての…旦那なんです…

貴)そ、そうなんですか…

だからだ…

だから心配そうな顔してたんだな…

貴)安心してください、あたしがその方を治します。絶対に。

蝮)ほんまですか？！

ぱっと顔を上げる。

貴)本当です(ﾆｯｺﾘ

蝮)…可愛らしい顔で笑いはるんですね…
あてはいつも素直になれへんくて…心配しとったていうといてください

苦笑いを浮かべる。

あたしなんかより全然綺麗な顔だ。

貴)わかりました
…、できましたよ。

蝮)これ、しばらく痛みは続きますか？

貴)はい、少し…

蝮)そうですか…

貴)目をつむってください

蝮)？

貴)おまじないですよ。