二郎ちゃんの難解な恋-7 ページ8
やばい。
Aちゃん、可愛すぎる。
名前呼んでくれたこともうれしかったのに、ちょっと恥ずかしそうに聞いてきたときが一番キた。
「いーなぁ。なぁなぁ俺のことも名前で」
二郎「必要ねーだろ。」
「…まーそうだけど？(独占欲つよ…)」
ダチがAちゃんに名前で呼ばせようとしていたから止めた。
なんか、俺以外は嫌だ。
こいつは俺がなかなか喋りかけれなかったから声かけただけで、分かってはいるけどAちゃんが少しでもこいつに魅力を感じたり、笑顔になるのがもやもやしてしまうから邪魔をする。
A「二人はお弁当？」
二郎「う、うん。兄ちゃんが。」
A「お兄さん？優しいんだね。」
二郎「！うん、そうなんだ。兄ちゃんと、弟とみんな交代で飯とか…」
一兄の話題になると、俺の気分が高まった。
Aちゃんがうちの一兄のこと「優しい」って。
周りの女子は格好いいとか、なんでもできるとかそんなことしか言わないなか、Aちゃんの何気ない一言が凄く嬉しかった。
「あー、お前の家。親いないもんなー。」
A「…偉いね。」
二郎「そう…？えーと、真白、さんは兄弟とかは？」
A「ううん、一人っ子なの。だからちょっとうらやましいな。それに、少し納得かも。二郎くんってお兄さんっぽいところもあるけど、弟っぽいところもあったから。」
二郎「へ―、なんか出んのかな。そういうの。」
俺ってAちゃんから見るとそんな風に見えるんだ。
何気なくそう思ってから、「あれ？」と思考する。
…つまりそれって、Aちゃんは俺のこと見てたってことだよな？
もし、そうなら嬉しすぎる。
A「顔に出るんじゃないかなぁ。」
顔？
普段そんな分かりやすいのかな、俺って。
そういえば、さっきあいつも言ってたけど分かりやすいって言ってたな。
「まあ、確かに。分かりやすいよな―二郎！」
二郎「お前に言われるとか…」
そしたら全員俺の気持ち分かるじゃん。
さすがにそこまでわかりやすくはないだろうけど。
A「ま。それは置いといて。お弁当食べよ？」
「お。そーだった。」
Aちゃんが周辺の空いた机をくっつけようと動くのを見て横からとった。
二郎「俺持つから。」
男らしいとこ少しはアピールしねーと…
ちょっとくらいはドキドキしてくれねーかな？
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作者名：リドル | 作成日時：2020年1月30日 23時
