二郎ちゃんの難解な恋。1【ヒプマイ】 (ページ6)

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二郎ちゃんの難解な恋-5 ページ6

すると、Aちゃんは笑いながら俺の方に手を振ってきてた。

え、え…？

なんで手を振ってるのか分からなくて、俺以外の誰かかと思い辺りを見渡した。

けど、俺の周りにはさっきの取っ組み合いに巻き込まれたくなかったのか友達以外はいなくて、明らかに俺、もしくはこいつに振ってきているのがは分かる。

「お。手振ってる！」

友達がAちゃんに手を振り返し、俺に振り返ると俺の腕を掴み上げ勝手に手を振り出した。

「じろー、お前もAちゃんにせっかく手振られてんだから返せよ。つか好きな子だろ？」

二郎「は、いや。俺別に真白さんとは仲良くないし。」

友達の前だから強がって真白さんと苗字の方で呼んでしまったが、内心なんでAちゃんが俺に手を振ってくれているのか男子高校生らしい淡い妄想が膨らんで胸の鼓動がかなり早くなってた。

気づくとAちゃんは手を降ろしてどこかに行ってしまったあとだった。

「なんかお前とAちゃんいい感じじゃね？ワンチャンあるって！絶対！」

二郎「やめろって。」

鬱陶しい、という顔をしてそいつを適当にあしらう。
が、しかし。

ワンチャンあんのかな。
…話しかけたら友達になって仲良くなれるかも。

と、期待が膨らんでいった。

「今日の昼声掛けろよ！昼一緒に食べようって！」

二郎「できるか！！」

いやいやいや。
そんなことして「え、いきなりなに？」とか好意がバレて「気持ち悪い。」て思われたら立ち直れねーし。

お昼は用事がある、なんて理由つけて断られでもしたら、すげー格好悪い。

「はあ！？なら俺が誘うからな！」

二郎「なんでだよ！」

「あれれー？別に二郎ちゃんはAちゃんのこと好きじゃないんでしょー？」

くそ！

明らかにからかって楽しでるなこいつ。
好きに決まってんだろ！と声を大にして言えたら、そもそも声掛けれてんだよ。

「いやぁ、実はおれ前から気になってたんだよね。二郎が好きなんかなーって思ったから声掛けなかったけど！」

二郎「……いや。お前に声掛けられるの真白さんが可哀想だから声かけるわ。」

「…あ。そー？」

…ハメられた感はあるが。

なんだかんだ俺も声掛けて喋りたかったし、腹括って話しかけて、みるか……。