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彼は病み上がりだというのに私に紅茶を淹れてくれた。
「……不躾かもしれないけど、話せないかな?」
「……面白くもないですよ」
私がそう言うと「理解してる」と言う。
まぁこんな湿気た顔してたらね。
「可笑しいと思いませんか?22歳がこんなとこで一人暮らしなんて」
「俺くらいならまだしもまだ若いもんね、君」
うん、彼よりもうんと年下だ。
「私が幼いころ父は病気で他界したんです」
突然のことだった。幼いながらに父親が亡くなるという意味。
その意味を理解していた私も大泣きした。
「女手一人で私を育てることは金銭面的にもきついのは分かりますよね」
「うん、教科書とか服や食費……色々あるからね」
「だから母は養ってくれる人、再婚相手を探しました」
それが姫河貴之さん。母も妥協ではなく貴之を好きになったのだ。
子供がいることすらも受け入れてくれたと。だから再婚したのだ。
「私を育てるためには新しい父親が必要だと思ったんでしょうね」
でもその頃はまだ父からの出来事にあまり立ち直れてなかった。
だから新しい父親と言われてもすんなり受け入れることなど出来なかった。
「酷いことも言ってしまいました「私を育ててもないのに父親とか言うな」って」
あの人はただ、私を心配してくれただけだったのに。
「その負い目もあって私は義務教育時代を終えて高校は寮に入り」
一人暮らしを決意したのだ。
「でも、貴之さんとは和解したんです!」
私がただ一人で悪いと責任を感じてるだけ。
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夏那子 - 多分私だったら釣られます(笑) スポーツウェアは半袖だからこれからの季節使えるなって(笑)1万ちょいしますからね〜 (2023年3月24日 23時) (レス) @page12 id: 99395c908e (このIDを非表示/違反報告)
まき - 更新お疲れ様です!缶バに釣られる夢主が面白すぎます(笑) るーむうぇあもスポーツウェアも欲しいですけど中々中学生には手の届かない値段です… (2023年3月24日 22時) (レス) @page12 id: 8f8ef637b3 (このIDを非表示/違反報告)
夏那子 - 面白いと言ってもらえて光栄です、紫くんは私の最推しなので空想爆発してしまうととんでもないことになりそうな……(虫が苦手なのにとかお酒弱いとか) (2023年3月20日 22時) (レス) id: 99395c908e (このIDを非表示/違反報告)
まき - こちらでも更新お疲れ様です!もう初っ端から面白いですよ!!!!今後の展開がどうなっていくのか🤔楽しみです! (2023年3月20日 22時) (レス) @page4 id: 99f199dd3a (このIDを非表示/違反報告)
夏那子 - コメントありがとうございます!書き方を好きと言ってもらえてとても嬉しいです!更新頑張ります! (2023年3月20日 17時) (レス) @page3 id: 99395c908e (このIDを非表示/違反報告)
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