お隣の推し様の世話役になっていた件【紫】

#18 ページ19

翌日のこと。

花蓮が二日酔いなので味噌汁を作っている。

「花蓮〜、なんでセーブしとかないのお酒」

「いや、推しが隣にいて冷静でいられるAが異常なの」

冷静なわけあるか。

そう思いながら味噌を溶かして顆粒だしを入れる。

わかめあってよかった〜。

「はい、味噌汁」

「ありがとう〜」

全く世話が焼ける。

せれにしてもベランダあるのに涼みに行くだけってのも悲しいな。

なんか鉢植えでも買おうかな？

そんなことを考えながらいちごをベランダで動かす。

念のため隙間は予め塞いでおいたから少しくらいは出してもいいかなと。

でも見ておこう、万が一にもいちご落ちたら大変だし。

「いちご、あんまりはしゃいじゃ駄目だよ」

ぴょこぴょことしているいちごにそう言う。

「おはよう」

「あ……おはようございます」

朝から推しの生声……。ここ連日聴いてても慣れないな。

「ん……？なんかいい匂いするね……味噌汁？」

「ええ、昨日友人が二日酔いになってたので」

「へぇ、そうなんだ」

そう言うと前を向いて「飲んでみたいな」と呟いていた。

たまに作る約束しちゃったもんな……。

いや、この人が料理出来ればこんなことにはっ！！

だからと言ってリスナーの女に「飲んでみたい」とか言うもんではない。

思い込み強いリスナーなら勘違いしてるよ。

#19→←#17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す