お隣の推し様の世話役になっていた件【紫】

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良く晴れた昼下がり。

「よいしょっと…」

私はこのマンションに越してきた。

ペットOKのマンションだ。

「いちご、今日からここがお家だよ…夜まで寂しいと思うけど待っててね」

ペットの兎のいちごに話しかける。

片付けしたらお隣さんにも挨拶しないといけないしやることは山積みだ。

ビリビリとテープを剥がして中から家具やらを取り出して仕舞う。

その繰り返しをしているといつの間にか夜になっていた。

一日引っ越しの作業で終わってしまった……。

お隣さんへの挨拶もまだしてないし……。

仕事の方は越したばっかで大変だからって1週間ほど時間をもらったし明日でも大丈夫だよね。

「いちごにご飯あげたら私もご飯食べてお風呂入って早めに寝よ」

今日は『あの日』じゃないし。

そういえばお隣さんやけに静かだよねぇ…。

防音シートでも貼ってんのかなぁ……？

私の部屋は端っこだからお隣さんへの挨拶なら一部屋だけで済むか。

まぁ、あんまり関わることもないだろうけど。

出かけるときやごみ捨ての時に「おはようございます」「こんにちは」程度だよね。

ご飯作りすぎた時におすそ分けするとか…。

ベランダの外を見ると星空。

まぁまぁそこまで高さあると結構遠くまで見渡せるんだなぁ。

そんなことを思いながら付けたばかりの薄紫色のカーテンを閉めて私は明日の準備をした。

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