動悸 ページ2
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いつも、こっちを見ている少女が今日はいなかった。
「どうした、カネダ?」
親友のタミヤ君がこちらを見て首を傾げる。
「なんでも無いよ」
適当に返事をして爪を噛む。
僕達が通る通学路には、1人の女の子が居た。
誰かを待っているのか、いつも1人で立ち止まっている。
たまに目があうと顔を赤くして下を向いて居た。
きっと僕の親友のタミヤ君が好きなのだろう。
タミヤ君は美形ですごくモテる。
モテるなんて、僕には縁が無いので羨ましい限りなのだが、本人はモテることをあまり良く思っていないらしい。
その、タミヤ君に想いを寄せているであろう少女が、今日は居なかった。
どんな事情があったのかは知らない。
でも、何と無く寂しく思った。
「なあ、カネダ。お前のことが好きな女子がいるらしいぜ」
「え?」
そんなことを考えていると、タミヤ君から信じられない言葉が飛び出してきた。
「…そんな、わけ」
顔が熱い。
「マジらしいぜ?どんなコかは知らねーけど。良かったな!」
あっけらかんとしたタミヤ君の言葉とは裏腹に、心臓がばくばくと高鳴る。
あくまで噂だろうけど。
それでも嬉しい。
つい、顔が笑いそうになるのを必死に堪えながら、光クラブへの道のりを歩みを進めていった。
まだ見ぬその少女を想像しながら。
(…一体どんなコだろうか、僕と趣味は合うだろうか、暗いって思われないだろうか…)
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レル(プロフ) - とても面白かったです!続き頑張ってください(*´∇`*) (2015年2月21日 8時) (レス) id: 26043cac8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らの | 作成日時:2014年9月26日 22時