親友兼恋人【東卍】 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:18,433 hit

36 ページ7

(場地サイド)

.

服が毛だらけになっても気にする様子もなく、周りに寄ってくる猫を撫でくり回して頬を緩めるAが可愛くて、ポケットから毛ータイを出して一枚写真を撮る。

ぱしゃりと一回シャッター音が鳴って、猫を撫でるのに夢中だったAも此方を見る。

「ア、オマエ今写真撮っただろ」

「撮ってねえ」

「流石に誤魔化しきれないよソレ」

何気ないちょっとした会話だけど、ソレも全部幸せに感じる。

「ケースケもこっち、来いよ」

自分の隣をぽんぽんと叩きながら、俺に笑みを見せる。

隣に行って良いって事かよ、うわうれしい。

心の声は隠して、Aの隣に胡座をかく。

猫吸ってる奴の隣で、別の猫を撫で回す。

ハー、猫かわいい。ちゅーる持ってくれば良かった。

「みてみてケースケ、服毛だらけ」

白いTシャツが真っ黒で、自分が一番びっくりとでも言いたげな表情を浮かべている。

イヤ、マジで真っ黒だな。どうなってんだよ。

「そのTシャツじゃこれから何処も行けねーけど良いんか」

「別にいいよ、ケースケと入れればオレは楽しいし」

…コイツ、なんでキスとかは照れるくせにこんな照れくさい事は言えるんだか。

.