親友以上、恋人未満【東卍】 (ページ24)

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全速力で走った。人の目なんか気にする暇もなく、ただがむしゃらに走り続けた。

近くにある公園に行った。止まったときの疲労感が凄くて、息を吸うだけで物凄く喉が痛い。

小さくひゅーひゅーと喉がなる。血の味がして気持ち悪い。

「＿＿＿アレ、何してんの？」

頭上から聞こえてきた声に、思わず顔を勢いよくあげた。

「三ツ谷！」

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「あー…つまり
俺が帰った後も泣きじゃくってたら場地ン家にいくことになって、帰り際にキスされたと」

「…まあ、そういうことになる」

もごもごしてて聞きにくかっただろうに、相槌打ちながらオレの話を聞く三ツ谷。さすが。

視線はオレの方だったり遊んでるルナマナちゃんだったり。

「…唇、血出てっけど。それも場地のせい？」

「え、うそ、血でてる？」

唇を舌で舐めれば、錆っぽい味がして眉をしかめる。

服の袖でぐしぐしと唇を拭いて、とれた？なんて三ツ谷に問いかける。

取れたんじゃね？なんて言われて、よかった、と返す。

別にそこまで楽しい話をしてる訳じゃないけど、なんか楽しい気がする。

そう思って小さく笑えば、急に三ツ谷の顔が近付いてきて

「…今どう思った？」

なんて聞いてくる。

「どう思った、って…
顔ちけえな、血まだついてんのかな…とか？」

「場地の時は？」

なんでそんなことを聞いてくるんだ、なんて思うけど、少し思い出すと顔に熱が集まってくる。何も言えない。

「…そういうことだよ」

「は？」

…三ツ谷ってよくわかんない。

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