RAINY 【hsrb】 (ページ6)

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さて、ここでひとつ小さい頃の話でも。私には幼馴染が１人いる。それが小柳ロウ、彼もまた星導さんと同じく表はヒーローとして、裏は暗殺組織のボスとして活動している。

出会いのきっかけ自体は小さい頃に地域のお祭りで迷子になった時に、一緒に親を探してくれた。本当にそれだけだったのだが、後から同じ小学校に通っていたり、実家の近くの大きな御屋敷に住んでいたり、とかまあ色々あって今に至る。……とはいえ、今はそこまで本人に会えている訳ではない。オトモちゃんは相変わらず、ふらりと私の家にやってくるけれど。

「……ロウさんは元気？」
「なぁん」
「うーん、そっかあ……」

うりうりと私の手に顔を擦り付けるオトモちゃんを見ながら、元気そうだから元気なのかなあ、と呟いたその時だった。

「おま、そんなとこにいたのかよ」
「ちょっ！と、びっくりさせないでよ！来るなら連絡くれればいいのに……」
「はあ？しなくても別に家にいんじゃん」
「そうじゃないってば……」

急に背後から現れた本人には驚いたけれど、それはそれとして来るなら来ると連絡ぐらい入れてくれたっていいだろう。ほんのちょっぴり、むすくれていると。

「……お前、星導んとこ行った？」
「……へ？」

何で分かったの。言葉にした訳ではないけれど、わたしの表情で何か察したらしい彼はこう口にした。

「……紅茶の匂い。残ってんだよ」

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◇大変長らくお待たせしました！本日より少しずつ更新再開いたします。何卒。