白い薔薇を君に (ページ8)

今日:34 hit、昨日:50 hit、合計:50,609 hit

8 ページ8

.

せっかく足早に楽屋に戻ってきたのに
スタッフさんに返さなきゃいけないものを返し忘れて
先ほど撮影していた場所へ向かう

ﾊﾟｼｬｯﾊﾟｼｬｯ
「いいよー！かわいい！もっとアップでいくね」

別の人が撮影してるのに入ったらあかんかな、
いやでも早く返さなメンバー待ってるし
とドアの前で固まってれば急に声をかけられた

『あの...？入らないんですか？』

「っうわ！ちょ...いや、撮影中やから...」

振り返ればさっき会った時とは違う格好を
しているAさんやった

『あ、やっぱり汐恩くんだ』

この後撮影なんだろうか
キラキラのふわふわした衣装を着ていて天使かと思った

同じ人間なんか.....？

『...？ふふっ』

「いやえっと...あの」

『ん？』

「いやなんもないっす」

『この間、ありがとうございました』

「この間？？！」

『お渡し会の...汐恩くん来てくださってましたよね？』

「ぃ...いやっ....えーはい。いました」

『やっぱそうだ。すぐ分かりました』

「えっ？ほんまっすか？！」

『ふふっほんまです笑』

「俺の事知ってるんすね笑」

『そりゃ何度も共演してるので笑』

「ふはっそりゃそうっすよね笑」

奨「....おーん？しおーん？！」

『あ、呼ばれてません？』

「わっまずい返さへんと」

『返しておきますよ？』

目の前に小さくてかわいらしい手が出されたけど
自分が使った物を人に返してもらうんはちゃう。
そもそも俺がこの手に触れられるわけがない

「これ、入って大丈夫っすかね？」

『一緒に行きましょ？』

グイッと腕を引かれバランスを崩しそうになるも
されるがままスタッフさんのもとへ連れて行かれた

「...ありがとうございました」

『ふふっ、お仕事頑張ってください』

「あ、Aさんも...頑張ってください」

『はい笑また』

こんなに話せたのは初めてで
緊張よりもかわいいもっと話してたいって
気持ちしかなかった

はぁ〜、、ほんま好きやな.....

そんな事を考えながらさっき掴まれた腕が
ほんのり熱をもってる気がして
自分の腕を服の上からぎゅっとつかみ楽屋へ走った