白い薔薇を君に (ページ32)

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「あー、あかん。緊張するわ」

翔「珍しいねー汐恩が緊張してるの」

拓「そりゃ緊張するやろ、」

瑠「がんばれよ汐恩」

「おん…」

重くはない、けど軽くもない空気感の中
スーツに身を纏った11人が揃う

蓮「もう来るって？」

「もう来ますね、あ…あの車や…」

事務所に呼び出していたAちゃんが
到着した

「あー…あかん」

碧「いつも通りで大丈夫やで汐恩」

純「…あかん、俺も緊張してきた」

豆「なんで純喜くんが緊張すんねん」

いつも通りのメンバーの顔をみれば
自然と笑みが零れる

ｺﾝｺﾝｯ

ドアがノックされ「どうぞー」と俺が言えば
全員がまた緊張したような強ばった顔になる

『失礼しまー、…っえ？』

普段通りの練習室にスーツ姿の11人
そりゃビビるやろ

『っえ…？なに…？』

「こちらどうぞ」

中に入りわけも分からず真ん中に立たされる
Aちゃんの前に俺が立つ

『…え、？なにこれ』

「ふはははっ」

景「汐恩がんばれー」

拓「おい！今から喋んねん」

祥「シーっ！！！」

後ろでいつも通りの声を聞けばなぜか
大丈夫や、と思えた

「Aちゃん、いつも…ありがとうございます」

『…はい』

「いつも、その笑顔に助けられてます」

『ふふっ…はい』

その後俺が跪き察したのか、ビックリした顔で
こちらを見る

「俺と…結婚してください」

ポケットに入れてた指輪を出せば
大きな目からボロボロと涙が零れていた

『…はい。よろしくお願いします…』

純「よっしゃー！」

ヒューヒューと野次を飛ばす10人

碧「汐恩おめでと！」

祥「おめでと汐恩！かっこいいよ」

翔「……(ぐすん)」

蓮「翔也〜！ティッシュ！奨くん！」

奨「はいはい笑」

「良かった…」

『えぇ…なにこれ、知らなかった…』

「当たり前やん知らせてへんもん」

景瑚くんが後ろからチュー！チュー！と
野次を飛ばしてきたけどそんなんシカトして
ただただ抱きしめた