命に代えても......【最終章】

＊＊家族の絆 ページ13

翔は再び小さくなるAの背中を見つめた





翔 「そうしたら....きっとAは僕だけを見てくれるよね......？」







翔の目には......もう光など宿っていなかった






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A 「はぁっ.....はぁっ......」






後ろを振り返ったら.....翔は追ってきてなかった





あきらめたのか.......？それとも何か作戦でもあるのか......？





でもとりあえずっ.......豊のもとに戻らないとっ......






豊 「A.......？」






A 「........！！」





豊の声が聞こえて......私は顔を上げた






何でここに.....？門までまだ距離があるのに.....？






豊 「あまりにも遅いから少し先まで来てみたが........お前っ.....どうしたんだよっ！？」






豊は私の姿を見て驚いている






そりゃそうだろうな......肩からは血を流していて.....長い髪もずいぶん短くなっていて......フラフラの状態だからな.....







豊 「大丈夫かAっ！？あいつに......翔に何かされたのかっ！？」






豊は今にも倒れそうな私の体を支えた






A 「違うっ.......このけがと髪は......全部私がやったことだ」







豊 「っ......すぐに戻ろうっ.....まずはお前の手当てが先だ」






そう言って私を抱き上げて歩き出した






A 「豊......」






豊 「どうした.....？」






A 「.......私に家族は......もういない......」






豊 「...........」






血はつながっていないけど......翔のことは本当に家族だと思っていた.....






本物の弟だと思っていた.......






でも......その弟が.......私の両親を殺した......私の兄を殺した.......






本当の家族って......なんなんだろうな......もうわからないよ......






豊 「違うだろ.......」






A 「え......？」






豊 「家族なんてものにルールはない.......淳も....研二も家族だろ.....？それに一樹だって.....あいつとお前はちゃんと血はつながっている......」






A 「.........」






そうだ......面と向かって言えなかったけど........私と一樹は血はつながっている......






私の......本当の兄だ.....






A 「豊も......？」






豊 「.......！」





A 「豊も本当の......家族になってくれるの......？」

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