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呪われた子 ページ4

汽車が停車して、香菜達が降りてきた。


敦君がナオミお姉ちゃんや春野さんを呼ぶ。胸を張って守ると宣言している姿が、この後を暗示して、悲しい。


『香菜・・・おはよう』

「おはよ、A。」

『酷くやられたらしいね。カッコ悪』

「うっさいなぁ〜」

何時も通りの会話、に見える。だけど、私も香菜も声を潜めていた。

一度目を瞑り、それからまた開ける。

やはり、目を引いたのは少年の姿。


ナオミ「汽車の中で会いましたの」


少年は不気味な笑顔で、汽車を降りると、態とらしく敦君にぶつかった。

そして、その傷だらけの腕を見せる。


その腕は、昔の自分に似ていて・・・酷く不快な気持ちになった。


『香菜っ』

敦君が一人、苦しみだして、私は咄嗟に香菜の腕を引いて、遠くに突き飛ばした。


『春野さん、ナオミお姉ちゃん、離れて!この子、ポートマフィアの異能力者だから!』


ナオミ「え・・・こんな、子供が」


『早く!!』


衝撃、悲鳴、吐息


遅かった


次の瞬間には、敦君はその手で、暴れていた。


夢野「へぇ〜、君も探偵社の人?」


場に合わない愉快な声の主を見る。


『そうだよ』


気付けば、尖った鏡が少年の足元に刺さっていた。それを気にせず、少年は私に近づく。

私は、後ずさる。それでも夢野久作は私に近づいてくる。


無駄に異能力を使えば、傷つけてしまう。

これは、拙いね・・・・


夢野「じゃあ、君も遊ぼうよ」


「あっ!A!!!」


『香菜、来るな!』

太宰さん、太宰さん早く!!


そんな私の心の叫びが、やっと届いた時には遅かった。

太宰「やめろ敦君!!よく見るんだ!」


その言葉と同時に、夢野久作は、私に抱き着いた。


視界が反転して、気付けば何も無い、真っ白な空間に、一人で立っていた。


『A・・・』


後ろから、声を掛けられて、私は咄嗟に振り返った。


とても、焦がれた、懐かしい声


『実言・・・実言なの?』


振り向くと、私とよく似た少年が立っていた。

私と同じ目と髪の色。同じ位置にある、首筋の黒子。





違う、これは敵の異能力で、実言じゃない


分かってる、分かってる!わかってる!!!


でも、実言だ・・・


『お兄ちゃん、あいたかっ』

『どうして生き残った』

『・・・えっ?』

『どうして、一緒に死んでくれなかった!!!』


あぁ、天罰だ


視界がぼやけて、お兄ちゃんのこと、よく見れないよ


頬に、何かあったかいのが伝っている


それは涙

それは哀しみ→←別にそんな訳ない



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , トリップ , シリアス&ギャグ   
作品ジャンル:アニメ
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やよkamika(プロフ) - 凄くいい話ですね! 応援したくなります。 (2018年8月25日 17時) (レス) id: ff15e6367c (このIDを非表示/違反報告)
みかげ - 夢主ちゃんの過去が悲しくて悲しくて、あぁ、私の苦しみとか痛みなんて小さいのにこんなちっぽけな事に苦しんでる自分が馬鹿らしく思えました!! (2018年8月22日 20時) (レス) id: 9a6b1a518e (このIDを非表示/違反報告)
みかげ - 普通のトリップ作品では味わえない展開にすっごくドキドキハラハラそしてわくわくしました!!更新待ってます!! (2018年8月22日 20時) (レス) id: 9a6b1a518e (このIDを非表示/違反報告)
田中 - とても面白いです!更新頑張ってください。 (2018年1月29日 1時) (レス) id: e3cd4e434f (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - 夏目さん» 有難うございます。 (2018年1月7日 0時) (レス) id: acadacee9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/38a45e840c1/  
作成日時:2017年12月30日 1時

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