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会長の言葉で俺は悟った。俺の全てを話すのだ、と。それと同時に、口が開いていた。
「それであれば、担任の相澤先生……イレイザーヘッドも呼んで頂けないでしょうか」
「なぜ？」
「……北海道での任務にて、根津校長と同じ話をしています。差異が生じないためにも、話しておくのが先決かと」
「分かったわ。早速手配します。ホークス」
「はい」
「貴方のことは伏せます。早急に福岡に戻ってください」
「分かりました。……A、後で連絡する」
そう言い残し、啓悟さんは大扉の向こうへと姿を消した。会長は各所へ連絡を取り始めた。
なぜ、相澤先生も、と言ったのか。自分でも理解できなかった。でもなぜだか、先生には俺の過去を知って欲しいと思ってしまった。
でも、その気持ちを表す言葉を俺は知らない。
――
1時間後 PM 0:30
――
俺は会長の指示で、スーツ姿でエントランスの椅子に腰を下ろしていた。そろそろ先生方が来る頃だろう。
そう考えていると、自動ドアが開き、包帯姿の相澤先生、オールマイト、根津校長の姿が見えた。
俺はそこに近づき、声を掛ける。
「先生、待ってました」
そう言うと、オールマイトは「鳶嵩少年？！」と驚いていた。
俺は言葉を続ける。
「会長より案内を任されています。ついて来てください」
ゾロゾロとエレベーターに乗り込み、最上階の部屋へ向かう。
大扉を開け、「お連れしました」と言って中に入る。先生方に「お掛けください」と言葉を掛け、前の方に立つ目良さんの横に並ぶ。
既に来ていた塚内警部と先生方の前に会長が立ち、話を始めた。
「本日はお越しいただきありがとうございます。私は、ヒーロー公安委員会の会長を務めております。こちらは委員の目良です」
「初めまして、目良と申します」
横に立つ目良さんが一歩前に出て頭を下げる。
「そして、同じく委員の鳶嵩です」
そう言われ、慌てて頭を下げる。
会長が言葉を続ける。
「先ほどご連絡した通り、先日のUSJ襲撃の際に現れたヴィラン、脳無について、鳶嵩よりご説明させて頂きます。鳶嵩、前へ」
そう言われ、会長と入れ替わり4人の前に立つ。心臓がうるさくなる。
「これから先の話については、一切の口外を禁止とします。口外する者がいれば、然るべき対処をさせて頂きます。では鳶嵩、先日現れた脳無について、説明を」
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作者名：玲央 | 作成日時：2021年10月7日 21時
