その男、公安委員につき②【ヒロアカ】 (ページ28)

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　スナイプ先生はすかさず2発、別の方向へ発砲する。

「ごめんよみんな、遅くなったね。すぐ動ける者をかき集めてきた！」
「1-Aクラス委員長、飯田天哉！ただいま戻りました！」

　飯田が、根津校長を始め先生たちを連れて戻ってきた。

　周囲にいたヴィランが、入り口に向かって攻撃を繰り出す。それを見たマイク先生が、数歩前へ出て大きく息を吸う。

『『YAEHHHHHHHHHH』』

　マイク先生の個性でヴィランが怯んだ。

　すかさず、プロヒーローのエクトプラズムが分身を放ち、ヴィランを次々と倒していく。

「手分けして、生徒たちの保護を！」

　根津校長がそう言うと、みるみるうちに戦況が変わる。

「あーあ、来ちゃったよ。ゲームオーバーだ。帰って出直すか。黒霧――」

　死柄木が口を開くと、再び銃弾が飛んでくる。

　両腕と両脚が貫かれたところで、黒いモヤが死柄木を庇うように広がる。

「この距離で捕獲可能なヤツは――」
「――僕だ」

　スナイプ先生の言葉に反応し、13号先生が瀬呂と佐藤に支えられながら、ブラックホールでモヤを吸い上げる。

　死柄木と黒霧は、空へと消えていった。

　ただ一言、「鳶嵩A、また迎えに来るよ」とだけ言い残して。

　先生たちによって、残されたヴィランはあっという間に制圧された。

「はー、死ぬかと思った」

　全身から力が抜け、地面に倒れて空を仰いだ。

「鳶嵩少年……君は、気づいていたのか？」
「先生たちが来たことですか？それとも……その状態の先生のこと？」

　そう言って視線を向けると、しぼんだ姿のオールマイトが立っていた。

「……どちらもだ」
「先生たちが来てたのは気づいてましたよ。まあ、死柄木が詰めてきたときは、体力が尽きて動けなかっただけですけど」
「……そうか。それで、その――」
「そっちの事はまた今度話します。言いふらしたりはしないんで、安心してください。まずはお互い治療が先決です。助けを待ちましょう」

　そう言っていると、土埃の向こうから足音が一つ聞こえてくる。今の状態のオールマイトを見られるのはまずいな。

「鳶嵩ー！大丈夫か！」
「切島！俺らは大丈夫だから、先に入り口に向かってくれ！轟と爆豪と一緒に、他のヤツらの安否確認を頼む！」
「おう！わかった！」

　少しして、セメントス先生が来た。

　搬送ロボが到着し、担架に乗せられた俺は、そのまま意識を手放した。