その男、公安委員につき②【ヒロアカ】 (ページ20)

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　轟が冷静に口を開く。

「現れたのはここだけか、学校全体か。なんにせよ、センサーが反応しねぇなら、向こうにそう言うことが出来るヤツがいるってことだな。校舎と離れた隔離空間、そこにクラスが入る時間割。バカだが、アホじゃねぇ。これは何らかの目的があって、用意周到に画策された奇襲だ」

　その通りだ。マスコミ騒動であの2人を見かける以前に、既に計画されていたのだろう。

　大軍を引き連れてまた現れる、と言っていたのは、十中八九このことだ。

　相澤先生が少し前に出ながら口を開く。

「13号、避難開始。学校に連絡試せ。センサーの対策も頭にある敵(ｳﾞｨﾗﾝ)だ。電波系のヤツが妨害している可能性がある。上鳴、お前も個性で連絡試せ」
「……っス！」

　相澤先生がそう言うと、緑谷が先生に言葉を掛ける。

「先生は！？ 1人で戦うんですか？！あの数じゃ、いくら個性を消すと言っても……！イレイザーヘッドの戦闘スタイルは、敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は――」

「――一芸だけじゃ、ヒーローは務まらん」

―――

「任せた、13号」

　そう言って俺は、ヴィランの群れに向かって跳び出す。

「射撃隊、いくぞ！」
「情報じゃ、13号とオールマイトだけじゃなかった？誰よ！」
「知らねぇ！が、1人で正面突っ込んでくるとは……」

「「「おおまぬけ！」」」

　そう言って個性を発動しようとする敵(ｳﾞｨﾗﾝ)どもの個性を封じ、捕縛する。

「馬鹿野郎！アイツは見ただけで個性を消すっつう、イレイザーヘッドだ！」
「……消すぅ？俺らみてぇな、異形型のも消してくれるのかぁ！」

　そう言いながら、腕が4本ある敵(ｳﾞｨﾗﾝ)が拳を振ってくる。

「いや、無理だ」

　俺は攻撃を躱して顔面へ一撃を入れ、捕縛布を投げ、言葉を続ける。

「だがお前らみたいなヤツのうまみは……統計的に近接戦闘で発揮されることが多い」

　そう言いながら、背後からの攻撃を仰け反って躱し、その勢いで蹴りを入れる。

　先ほど捕縛した複数腕のヴィランを引き寄せ、周囲のヴィランへ投げ飛ばす。

「だからその辺の対策はしてる」

―――

　相澤先生と敵(ｳﾞｨﾗﾝ)の戦闘を見て、緑谷が口を開く。

「すごい……多対一こそ、先生の得意分野だったんだ……」
「分析してる場合じゃない、早く避難を！鳶嵩くんも！」

　飯田に言葉を掛けられ、緑谷と共に走り出す。