その男、公安委員につき②【ヒロアカ】 (ページ15)

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2人の前で名前呼ぶのまずくない? 変に思われるよ
ホークスプライベートに仕事を持ち込まないってことなら、名前でもいいだろ?

―――

　先ほど啓悟さんに送ったメッセージへの返信だ。

　……正直、人前で名前を呼ばれるのが恥ずかしいという方が大きいのだが。

「ご注文、お決まりでしょうか？」
「デミグラスハンバーグとカルボナーラを1つずつと、ドリンクバーを2人分追加でお願いします」

　いつの間にか来ていた店員さんに対してスラスラと答えていく。

　店員さんは、ホークスとプレゼント・マイクが同席しているということに驚きを隠せていなかった。

　店員さんが戻っていき、飲み物を取りに行きたいと言おうとすると――

「――A、カルピスでいい？」
「あ、うん」
「俺取ってくるよ。待ってて」
「ありがと」

　俺が口を開くより先に啓悟さんがそう言い、ドリンクバーへと消えていった。

　啓悟さんの姿が見えなくなると、相澤先生に声を掛けられる。

「というか、なんで2人は一緒にいたんだ？」
「あー、それは――」
「Hey！俺は鳶嵩リスナーとNo.3に接点がある方が驚きだぜ！」
「……まあ色々ありまして」

　俺が言いにくそうにしていると、相澤先生が助け舟を出してくれる。

「おいマイク、コイツにだって言いにくいことくらいあるだろ」
「そうか！悪かったな！」

　マイク先生はそう言ってニコッと笑いかけてくる。

　……マイク先生になら、少し話してもいいか。

「……俺、小さい時から両親と上手くいってないんですよね」

　俺がそう言うと、相澤先生が少し目を見開き、マイク先生はポカンと口を開けていた。

　丁度啓悟さんが戻ってきて、俺の前にカルピスを置き、腰を下ろしながらにこやかに言葉を続けた。

「だから俺がAのことを気にかけてるんです。な？」

　俺はそれに言葉を続ける。

「はい。啓悟さんは一緒に遊んでくれたんです」
「そうだったのか。話してくれてありがとな」

　マイク先生はいつもより控えめな声でそう言いながら、微笑んだ。

　いつもとは違う雰囲気に、俺はドキリと胸が高鳴った。

「あ、いえ……気にしないでください」

　慌てて口を紡ぎ、「お二人はよく一緒にご飯食べるんですか？」と話題を逸らした。

　少し話をしていると、頼んだものが運ばれてきた。