sweet day (ページ10)

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・8・ページ10

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" ピピピピピ "

「…っせぇ…」

部屋中に響くそれを手探りで探す

" ガタッ "

当たりどころが悪くてサイドテーブルから落っこちてしまった

「…んーっしょ…」

寝ぼけて起き上がろうと

反動をつけてベッドから出ようとしたら

俺の体は結構端に寄っていたらしくて
そのまま床に転げ落ちた

「っ…てぇ！！」

" ピピピピピピピピピ "

「あー…もうわかったわかった！」

" ピピピピピッ "

重い瞼をこじ開けてそれを乱暴に止めた

時計を除くと8:53の数字

「あ、やっべ…」

目覚まし時計をベッドに放り投げて急いで寝室から出た

" ピーンポーン "

朝からこんな時に誰だよ…！

「宅配便なんて頼んでねぇぞ…」

玄関に向かい何も考えず鍵を外して扉を開けた

「…おはよ、さとし。」

その姿は俺を上から下まで見下ろすと、少し驚いてからふわっと微笑んだ。

「え、なんで…」

「そ、それより早く着替えなよ…」

彼女の言った言葉に後悔するのに時間はかからなかった

「ちょ、ちょまってて！」

" ガタン "

慌てて扉を閉めると、全身鏡にうつったパンツ一丁の男

「やっちゃったよ…」

…

「ごめん、まった？」

自分でもびっくりするくらいの速さで着替えると
ネクタイを肩にかけたまま外に飛び出た

「だ、大丈夫。」

情けねぇ姿みられちまった。

「それより早くしないと…」

彼女が右手の時計を指差してトントンと叩いた

こんな時に限って、最後までついてねぇな…