sweet day (ページ7)

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「そういえばバレンタインのチョコ、私があげたやつしか食べてなかったよね。皆んな智くんの為にいっぱい作ってたのに。」

「知らない女が作った食いもんなんか怖くて食えねぇよ。」

何で俺がそんな人気なのか知んないけど、今までAがずっと心狭く感じてたのを知って、申し訳ない気持ちになった。

おれ…なんかすげぇかっこ悪ぃじゃん。

「だから付き合ってるとか、会社の中であんまり知られたくなくて…」

Aが悲しそうな顔して唐揚げを口に含む

「丁度部署移動のタイミングで智と一瞬になったから、この際言おうとおもって…ごめん。」

何で目の前の大好きな人に謝らせてんのかなぁ…

おれ、今世界一最低な男じゃん…

「俺のほうこそ、ごめんな…」

口から出た情けない謝罪に今までのちっぽけでくだらない嫉妬が風船みたいにしぼんでいく

「でも俺、Aがほかの男と話してたりすんのやだ。だから、はっきりさせよう。」

その、女の嫉妬とか、僻みとか俺にはよく分かんねぇけど

Aが俺に嫉妬してくれてたのとか、ずっと我慢してたのとか聞いて

俺の中で決心がついた。

「これからは、お互い我慢もしない。今までAに辛い思いさせてたこと、本当にごめん。これから何があっても、堂々と俺の女だって言い切るから。」

それは珍しく、俺の口からでた言葉だった。

「ん…ありがとう。智大好き。」

ニコって笑ってまた美味しそうにご飯を頬張る
Aはめちゃくちゃ可愛かった。

「んなこと、さらっというなよ…」

またおれ、だせぇじゃん…。

「ん？何か言った？」

「いや、何でも。」

負けじと俺も勢いよくご飯を掻き込んだ。