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2人でご飯を食べて、流し台で水の流れる音が聞こえる
近くにいって、腰に手を回してその大きな背中に顔をピタッと貼り付けた。
「ん、なに。」
お皿を洗いながら背中を伝って潤の声が聞こえる
「ん…、何となく」
その心地よさに瞼が重くなる
「寝るならお風呂入ってから寝な？」
閉じかけていた目がその声によって少し開いた
「は〜い」
するりと手を解くとそのまま洗面所に向かった
「お風呂かりまぁ〜す」
寝ぼけた頭のまま服を脱いで浴槽に入った
「あ…」
水道の蛇口を捻ると同時に、着替えの服を用意し忘れていたことに気づく
服は潤くんにいつも借りてるからいいとして…
「下着…」
制服は洗濯機にぶち込んじゃったし、やらかした。
頼る相手は、ひとり。
「まだ皿洗いしてるよね…」
とりあえず、一通り洗ってから考えよう。
お風呂に入ったり、お泊りしたりするのは初めてじゃないけど
だけどまだそういう関係にはなっていない
私はいいかな〜なんて思ったりする事もあるけど…
彼の中での線引きは、以外とちゃんとしていて。
そんなことを思いながら、シャンプーを泡だてて頭を勢いよく洗う
「はぁ、潤くんの匂いだ。」
好きな人の匂いって、なんでこんな好きなんだろう。
離れている時のほうが、その匂いは寂しく感じて
お風呂場をでたら、潤くんはそこにいるのに
何だか切ない気持ちになった。
一通り洗い終えて、シャワーを止めた。
さぁて、どうしよう…
潤くんリビングだよね
声出したら聞こえる距離だけど
なかなかその一歩が出ない…
「タオル巻いていく…？」
心の中の声は、表に出ていて
つい独り言が多くなる
「いや、まて、それはあまりにも…」
だって、まだそういう関係になった事もないし…
「だよなぁ…」
悩むこと、かれこれ10分…
普段なら15分くらいでお風呂を出るから
あんまり長居しちゃうのもなぁ
その前になんとか解決策を…
「やっぱり、呼ぶしかないか。」
浴室の扉を開けると、ドアまで少し距離があって
その間に洗濯機と乾燥機、タオルとかの棚がある
だから、ドアに近づかなきゃリビングまで声が
届かない…
自分の下着とかは、リビングを抜けた寝室のクローゼットの中にあっていつもは自分でちゃんと用意してるから
それを潤くんに言うのは、かなり勇気がいる事だった。
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作者名：あんぱん | 作成日時：2019年9月27日 2時
