Sapphire...(all Satoshi side) ページ3
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「なぁ大野、あの子可愛いよな…俺狙ってんだわ。」
オフィスでパソコンと格闘している俺は
それを右から左に聞き流しながら適当に相槌を打つ
「聞いてんのかよ、ったくお前は女に興味ねぇのかよ。おい、ちょっとAちゃんに話しかけてくるわ。」
「はぁ？！！」
馬鹿でかい俺の声がオフィスに響き渡り
びっくりするくらい自分でも声が出た
周囲の視線が一気に突き刺さり、その中にAと目が合う。
" どうした〜大野、また変な夢でもみたか〜？"
課長が腑抜けた声でそう言うから、Aが釣られてクスクスと笑いだす。
「大野はいつも通り通常運転すねぇ〜笑」
同僚の生意気な返答に周囲が笑いに包まれる
てんめぇ…
「からかっただけだって笑そんな怒んなよ〜」
椅子の上でクルクルと回る同僚に目を向けると
後で覚えとけよとばかりに睨んだ
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「 てかお前、Aちゃんに気あんの？ 」
「…っけは…ッゲホッ…」
口いっぱいに頬張っていたサンドイッチが喉元に支えて思わず咳き込んだ
気あるも何も…俺の彼女だっつーの！！
「おい、大丈夫かよ笑 図星じゃん。」
「は？…るせ。黙って飯食えよ！」
俺の彼女は同じ部署の後輩で、元々違う部署にいたけど帰り道が同じなのもあって
付き合ったのは結構前の話
それが最近こっちに配属されてきて
嬉しかった半分、嫉妬半分…
いや、嬉しくない！！
配属された初日、自己紹介するや否やクソみたいな男どもから話しかけられるわ、食事やら何やら誘われるわで
前の部署は女性が多かったらしく、俺らの部署は男が8割を占めている。
ここに来るって分かった時、周りの奴らもどんな子が来るんだって期待してて
俺からしたら悩みの種でしかないわけで…!!
男からのアピールやら誘いをやんわりと断ってるのを見ると、あれじゃあ男が食い下がるわけねぇだろ！とか思ったり…
男が好きそうな香りとか、仕草とか、健気なところとか…可愛いところとか…
とにかく、彼女がこっちに配属されてからは
そんな感情を振り払うように仕事と向き合う日々になった。
「なにぼーっとしてんだよ」
パチンと頭をはたかれて、昼休みが終わることに気がつく。
「いってぇな！ばぁか！」
「はぁ？ なんだそれ笑」
「なんだそれもかんだそれもあるかぁ！」
こうして今日も長い1日が終わった
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作者名：あんぱん | 作成日時：2019年9月27日 2時
