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#17 ページ17

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「 何も…ないよ、
ほら、熱あるんだから横になってて?」






目は見れなかった。

上手く、笑えてたかな。









スティックに何も思い出がないって言ったら
嘘になる。

むしろ、私の人生の中で一番の思い出。









あの人は…ドラマーだった。

何よりもドラムが好きで まっすぐな人だった。





友達も多くて面倒見も良くて
勿体無いくらい素敵な人だった。





…なんて、直接言ったことはなかったけど。









物心つく前からずっと一緒で
小さい頃のアルバムには必ず隣にあの人がいて。



好きなものも嫌いなものも
部屋のどこに何があるかもお互い全部知ってて。








“ 好き ” とかいう恋愛感情より
ずっと一緒にいるんだろうなって思ってた。



あの人しか、考えられなかった。









なのに…

突然会えなくなった。






最後の会話が何だったかもわからない。
普通の、普通の1日だった。







最後にあの人を見たのは病院で。







私は 葬儀にも出ず、


別れの挨拶もせず、




家から、学校から、街から、逃げた。






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作者名:n a g i. | 作成日時:2016年2月19日 19時

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