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「お疲れ様です」
「お疲れ様でーす」
そう声をかけたのはほぼ山本さんと同時。
伊沢さんはそんな私達2人にビシッと指さして
「君達仕事熱心なのはいいけど学生である以上、本業も大切にするんだぞ」
とイイ声でいってみせる。
「QuizKnock副業すか笑」
山本さんが伊沢さんに満面の笑みを見せた。
「まぁそういうことになるのかな?」
「録画ある分は先やっとけばあと楽なんですよー気にしないでください!お疲れ様ですっ!」
QuizKnockで仕事をするのはもはや趣味の一環だ。
趣味っていうと真面目さに欠けるかな?でもそうなると生き甲斐くらいの言葉しか出てこない。
伊沢さんは何となく社長としての責任を果たそうと頑張ってるっぽいんだけど…私はQuizKnockという会社に雇われてる気はしてなくて、寧ろ一緒に会社を作り上げていってるというか、そんな感じがしてる。
だから私がすごく頑張ってることに気を使って欲しくないというか。
給料も普通に学生がバイトで働くより全然いいしね。
先にやった方が楽だっていうこのセリフは、本心でもあり、心配して欲しくないという私の隠れた気持ちでもある。
「そう?じゃあおつかれーす」
ヒラヒラと手を振って退出した伊沢さん。
オフィスを出る後ろ姿にまで手を振り続けた。
我ながらなんて健気な。
そう思って横を向くとこっちもまだ手を振っていた。真面目な人だなぁ、と思っていると目が合う。
「…2人ですねえ」
「…そうだね」
他にかける言葉も見当たらなくて、私はまたパソコンに目を向けた。
あーあ、伊沢さんいないとやる気出ないなぁ。
なんて、画面の中に伊沢さんはちゃんといるからしっかり向き合わないとね。
『やめてください、それは僕が…』
「ブフッ」
またこうちゃんさん変な事言ってるし。
…
伊沢さんが出て行ってから1時間以上が経った。
時計を見ると午後7時近くである。
…それにしてもこの人本当に何も言わないな。
横を見ると顔つきが真剣そのものだったから多分集中してるんだろうけど。
「…Aちゃん」
「へい」
そう思ってた矢先に急に声をかけられた。
突然だったからビックリしすぎて変な返事になっちゃった。
「Aちゃん」
「はい」
なんでこの人言い直したんだ?
「彼氏いる?」
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natunekokono(プロフ) - ありすさん» そう言って貰えて嬉しいです!!笑そこ私も気に入ってるので嬉しいです、ありがとうございます! (2019年8月24日 1時) (レス) id: 45e575b4a8 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - 初めまして、なんとなくこの小説を読み始めたのですが、夜の早慶戦で大爆笑してしまいましたwwww凄い面白いです! (2019年8月23日 6時) (レス) id: e88d06d936 (このIDを非表示/違反報告)
natunekokono(プロフ) - 好きなようにむちゃくちゃ書いてそう言って貰えるの糞嬉しいです!wwwありがとうございます!どんどんやります (2019年8月18日 1時) (レス) id: 45e575b4a8 (このIDを非表示/違反報告)
natunekokono(プロフ) - ぶどうさん» それは…その…濃厚なやばい世界でしょうね!!!!!コメントありがとうございます(> <)!!! (2019年8月18日 1時) (レス) id: 45e575b4a8 (このIDを非表示/違反報告)
natsukomizumura(プロフ) - わろたwwwwwwwwwwwこんなやりたい放題な小説初めて見ました…いいぞもっとやれ (2019年8月17日 23時) (レス) id: 48120fdd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:BAKO | 作成日時:2019年8月14日 21時