SFのような村なんて (ページ2)

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入村？ページ2

昔から、この村は炭鉱で知られていたようだ。

朝から男たちが炭鉱へ繰り出して、汗水垂らして働いて。汗と涙の賜物の村だ、と教わった。

汚いな、と私は思った。

だが、誰でも第一印象はそんなものだろう。

だって、私はこの村に来たことがなかったのだから。

私の引っ越し先であるこの村、丹下村(たんげむら)は、上記の通り、炭鉱で有名だ。

しかし、裏を返せば、炭鉱以外に特に有名どころがない、ということだ。

都会か田舎かで言うと、割と田舎の方らしい。
その村でも離れの山奥に家があるなんて、とても驚きだった。

ああ、言ってなかったわね。

私の名前はスザム。一応女。

自己紹介はこんなものかしら。

なぜ私がこの村に来たのかは、おいおいわかるはず。

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「え、？こんな山奥に入っていくの？」

車の揺れも大きくなって来た。地面が不安定なんだろう。たまに車体が大きく揺れるので、車酔いが心配。

運転手にいつ着くのか聞いてみるも、
“な～に、もうすぐ着くさ～。”
とのこと。2時間は同じ台詞を聞いている。

はたして、この運転手で着くのだろうか。

「着いた！！」

あの運転手の台詞を聞き飽きるほど聞いたが、安全に着いたので良しとしよう。

そして、車から出ると、体の痛さなんか気にならないほどの大自然が目に入った。

都会に入り浸っていたスザムには眩しすぎるほどの太陽、包み込んでまくれる様な木々、小鳥たちの囀り、そのすべてが新しい感覚だったのだ。