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川上side
ピピピピピピピ....
うるさいなあ朝から。耳に聞こえるのはアラームの音と決して心地よくはない大雨の音。手探りでスマホを探してアラームを消す。
二度寝しかけた時、脳裏にAちゃんの顔が浮かんではっと目が覚めた。
今日はお洒落しなくちゃ、、いつもより格好よく。
何回も染めてるせいで傷んだ髪の毛の寝癖を整える。
だいぶ色落ちしてきたなあ、、次は何色にしようか。
そんなことを考えてるうちにまたスマホが鳴った。
アラーム切り忘れてたか?俺、、
電話だった。
そしてまた、表示されていた名前に驚いた。
Aちゃん
そういえば昨日連絡先交換したんだっけ、、、、
まだ寝起きでぼーっとしたまま電話に出るとまだ聞きなれない声が聞こえた。
"もしもし?川上さん?"
"うん、そうやけど、、なんかあったん?"
"今日すごい大雨で、、電車止まってるらしいので遅れます、、、初日なのに申し訳ないです、、先お仕事しておいてください!"
何かと焦って聞いたものの遅れるの連絡だったらしい。
そんなの電話じゃなくていいのに、と彼女の天然さににやけてしまう。
しかも、伊沢さんが車なせいで俺が電車じゃなくて車だと信じて止まないらしい。
"全然大丈夫やで、あと俺も電車やし"
ケラケラと笑ってみせる俺に電話の向こうで驚いている姿が想像出来る。
"て、、てっきり川上さん車かと!すみません!!"
"ごめん笑 とりあえず伊沢さんにも連絡しといてくれる?既読つくか分からんけどLINEで大丈夫やし"
"分かりました!!失礼します!"
元気のいい返事を聞くと直ぐに勢いよく電話を切られてしまった。
電車止まってるならゆっくり支度するか。
お腹は空いてないし朝食もコンビニで何か買おうかななんてまた大雨の音に耳を澄ました。
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作者名:あおい | 作成日時:2020年5月28日 1時