【Q/K】夕日が綺麗ですね。 (ページ18)

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yourside

『ごめんなさい、ごめんなさい。伊沢さん。』

ごめんなさい、ごめんなさい。
わたしは幼少期から、記憶力だけは良かった。

それに気づいたクイズをかじったことのある父親は自分の頭脳を受け継いだ！って喜んで
わたしにクイズを叩き込んだ。

気が遠くなるようなデータを脳に刻み込んで、ぎゅうぎゅう詰めに入れ込んで。

わたしはクイズに勝った。

達成感とかよりも認められた気がした。

父親はさらに上を望んだ。

そもそも、わたしは記憶力がそんなに良くない。
人よりもすこし覚えやすかっただけカメラアイみたいな能力はない。

なのに勘違いした父親はもっともっと。と言い続けた。

夜中までかかって頑張って暗記する。

その記憶が残るわけがない。
また、意地で覚えなおして細胞に刻み込んで。

吐きそうになった。

父親が死んだ。死んでくれた。

解放された後に残ったのは変な形に歪んだ、量だけはある知識。

クイズ大会に出た。
これは父親が勝手に応募したものでやるしかなかった。

そこで伊沢さんにあって、もうちょっと続けてみようと思った。

伊沢さんが脱出ゲームとかもやるって言ったときに頭を駆け抜けた計画。
これを彼が解けなかったら、、、認められるんじゃない？

クイズよりも得意な作問。

作りまくった。

これで、計画はできた。

これはわたしの最後の大仕事。
許されないことだから、伊沢さんが抜け出すか見つかるかしたら首を吊る。

『ごめんなさい。巻き込んで。』

彼はわたしから集めるデータを最小限にしていた。
解かるはずがない、のに
「これは、こうか。ねぇ、A！解けた！」

『あ、ってる。』

嫌な予感、彼がゲームに勝った。

ふう、もう楽かもしれん。
睡眠薬を大量に飲み込む。

薄れゆく意識の中、ちらっと見えた拓司の顔を見て。

あぁ、わたし、伊沢さんが好きだったんだ。

そう自覚した。

この作戦に彼を選んだのはきっと、数少ない友人だったからと思っていたが、
わたしは彼を好いていた。

恋愛感情を抱いていた。

伊沢side

Aが何かを飲み込んで倒れた。

「え、おい。俺の手枷外してないんだけど。」

倒れる彼女を見て愛しいと思ってしまった。
自分が信じられないがなぜかそうなっていたらしい。

彼女の落としたスタンガンを手に持ち、首に当てる。

バチッ。

心中になるのかな。

待ってて愛しいひと。
君も俺もきっと、仲良く地獄行きだよ。

fin.＿

恋愛よりホラーかも。

わかれどころ。