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「行くよ安室さん……!」
「一ミリでもいい、ずらせるか……!」
「そのつもりさ……!!」
コナンくんのカウントダウンが始まる。
「5! 4! 3! 2!」
小さく届いた唇を舐める音。
「1!」
覚悟を込めて、声を発した。
「「「
一旦仰け反り、ギャギャキャキャと耳を劈くような音を生み出しながら。
何かにぶつかって、黒が砕け散った。
「ダメだ、高さが足りない!」
「上等だ……!!」
透さんが勢いよくハンドルを切ると横に傾きそうになる体。
目の端にテールランプの赤が映った。
また何かにぶつかり、一気に炎がボンネットを包む。
「っ!!」
飛んでくる火の粉からコナンくんの頭を必死でガードした。
段差で車ごと体が跳ね唾が喉の奥に流れ込む。
電光が走り始めたのを見計らって、ベルトロックに手をかけた。
最終的に軌道を変える球を放つのは、コナンくん。
その一瞬、軸としてベルトを使うから、寸前でタイミングを計って外してほしいと頼まれたんだ。
大丈夫、と欠片も根拠のない言葉を自分にかける。
炎の向こうに空が見えた。
今!!
爪でカチンとボタンを押すと、シュゥインと巻き取られる音と共に留められていた感覚が消える。
凄まじい崩壊音が脳を揺らし、車は空へと飛び出す。
白い降り注ぐ光を発するそれが上空にあった。
「いっっっっっけえええええええ!!!!」
咆哮と、電撃と爆発が重なりあって。
煙を突き抜けた、電光を纏ったサッカーボールが刹那深い夜空を垣間見させた。
「! コナンくんっ!!」
落下していくコナンくんの姿を目に捉え、殆ど何も考えず。
今まで何がなんでも離さないと掴んでたヘッドレストを
力の限り突き飛ばした。
「……!」
袖を辛うじて掴んでから抱き寄せ、腕とカーディガンで頭を抱え込む。
開きかけの口に、煙が遠慮なしに侵入してきて気が遠くなりそうになったその時。
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camellia(プロフ) - さねみんと安室推しさん» ご指摘ありがとうございます(土下座) うわホントだ……書いてる間に勝手に脳が誤変換起こしてましたね……偽名は緑川です即刻修正する所存ですごめんなさいありがとうございました! これからもどうかよろしくお願いします!! (2021年3月2日 12時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
さねみんと安室推し - すいません、6ページでスコッチの偽名が緋色光ってなってましたが、シリーズ二作目で夢主に再会した時スコッチは緑川光って紹介されてませんでしたか??偽名を変えたと言うことなんでしょうか?気になったので・・(^_^;) (2021年3月2日 11時) (レス) id: ff085d1bee (このIDを非表示/違反報告)
愛丸(*´∀`)(プロフ) - ありがとうございます!!3日以内には載せますね!! (2019年10月22日 23時) (レス) id: ff7339904f (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - 愛丸(*´∀`)さん» わあ! 今少しですが作品の方見させていただきました!コナン風の画なんですね。是非ともよろしくお願いします! ご質問があれば遠慮なくどうぞ! (2019年10月22日 22時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
愛丸(*´∀`)(プロフ) - 「名探偵な絵を描く。」という夢主のイラスト集作ってるんですが、貴方の夢主さん描いてもいいですか?? (2019年10月22日 22時) (レス) id: ff7339904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:camellia | 作成日時:2018年9月9日 13時