小さな探偵の正体を知る義眼の女子大生が公安の協力者になる話。【ゼロの執行人】

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　「計画には無かったが、検事として無実の人間を起訴させる訳にはいかなかった」





　「毛利探偵の無実を証明する為に？」





　力なく答える彼に、透さんが語気を強める。





　「だが咄嗟のことで、被害の規模は予想を超えていた」





　「もうこれ以上罪を重ねちゃダメだ、不正アクセスして変更したコードを教えて！」






　コナンくんの説得の叫びは届いちゃいない。






　「公安検察は正義を守るプロだ。羽場のような正義が失われちゃいけない！」






　演説でも始めそうな堂々っぷりで透さんに詰め寄る。





　やっぱあの手離すんじゃなかった。





　透さんが彼の肩に手を置き、至極静かに言う。





　「コードを言うんだ」





　「私を逮捕すればいい！ 取り調べでは一切を黙秘する！」






　喚くな。





　貴方がやったことは、人を傷つけた。





　間違っても正義なんかじゃない！





　胸倉を掴んでそう言ってやろうかと思った時。





　「日下部検事、」





　コナンくんが私達に、スマホを示した。





　画面を見ると、黄色いH。ヘリポート？





　だんだんクローズアップされていき、そこに立つ人の顔がハッキリ見えるようになる。






　「…………、嘘……！」





　「馬鹿なっ！？」





　あまりの驚きに声を上げた。





　ヘリポートに立っていたのは、








　羽場さんだった。






　嘘、何で……！？





　「なんで羽場が……！！」





　コナンくんが不敵に微笑み、警視庁のライブ映像だよ、と告げる。





　コナンくん以外にもう一人、驚いてない彼に問いかけた。






　「これ……どういうことですか、透さん？」





　「拘置所で彼を取り調べた公安警察は、彼を自 殺させたことにしてこれまでの人生を放棄させたんだ。





　公安検事が“協力者”を使っていたという事実を隠蔽するために。





　そして公安検事が二度と“協力者”などつくらぬよう、そのことは貴方にも伏せられた。」






　じゃあ、羽場さんは本当に生きてる……！






　「自らした違法作業は自らカタをつける。





　貴方にはその力が無い。公安警察がそう判断したんだ」






　放たれた透さんの言葉に、コナンくんも続いた。









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