小さな探偵の正体を知る義眼の女子大生が公安の協力者になる話。【ゼロの執行人】

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　繋がりだしたは、良いものの。





　やっぱり私だけの手じゃ掴める情報にも限界がある。





　だったら私に出来ることは何か。





　そう、考えての結果だった。





　二人に比べれば、私はごく普通の一般人。




　危険な場所に潜入したりは出来ない。





　だとすれば、私の強みともいえるのは。





　この環境。




　顔を上げ、行き交う人の会話に耳を澄ませる





　かなり多くの人間が集うこの場所は、同時にそれだけ多くの情報もある。





　……大抵は関係ない話ばかりだけど。





　それは兎に角、今日はなるべく周りに耳を傾けておこう。





　自動ドアをくぐると、紙とインクと心地よいざわめきが私を包んだ。





　大学の図書館は、敷地内の三分の一を占めるほど広大。





　検索端末やインターネット接続のサービスも脇に設けられて充実している。





　少しだけ仕上げたいレポートがあったので端の人気のない机でノートを広げた。






　……あ、これこうまとめれば綺麗になる……





　カリカリとシャーペンを走らせていると、俄に向こうが騒がしくなってきた。






　「ッキャア！ 何これ！？」




　「あっつ！」





　一体何が……？





　軽い気持ちで覗くと、そこには異常な光景があった。





　「何…………！？」





　イヤホンを大慌てで耳から引き抜く人。




　スマホを手放して遠くに放る人。





　入り乱れる人達を見て、私も急いで踵を返した。





　ヤッバ、何があったか分かんないけど私のも……





　え？




　私のそれは、起動したばかりで。




　発火するどころか少しの熱も持っていなかった。





　何で…………あれ？





　スマホの右上に示された二文字。





　『圏外』





　圏外……





　フッと横を見ると、同じように小さな電撃を放ちながらショートしてゆくパソコン。





　その横では、何事もなかったように検索端末が並んでいた。






　瞬間的に頭の中を走った答えが、口を飛び出る。









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