はるばる東都まできた義眼の女子大生がラムに間違われる話。

状況判断 ページ31

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　「！……っあ…………」





　悲鳴をあげそうになった喉をかろうじておさえる。





　ダメだ。今私が悲鳴なんかあげたら、一瞬でパニックを起こす火種になる。





　そしたら、どこかで見ている犯人がスイッチを押してしまうかもしれない。





　そんなことしたら……





　考えるだけで背筋が寒くなる。





　ここには外来で入院している患者さんも沢山いるからその被害は計り知れないだろう。






　一旦病院の外に出ると、110の番号をプッシュした。






　「もしもし、警察ですか？ 変なもの見つけたんですけど、その、爆弾……みたいな。





　はい、病院……米花中央病院のロビーです。




　紙袋に入ってて、かなり大きなものでした。




　はい。分かりました。匿名でお願いします」






　面倒事に巻き込まれるのはご免だ。





　4年前のこともあるし、百合華さんに心配させたくない。





　「……あ、時間ヤバい」





　念のため近くの交番にいた巡査さんに事情を説明し、私は大急ぎで家に帰った。






　「結衣ちゃん遅かったわね、どうかしたの？」





　「う、うん。なんかまた事件があったみたいで、すごく混んでたの」





　「そうなの！？」





　「たぶん大丈夫だけど、警察の人が集まってた」





　「そう……。何も無いと良いけれど。行きましょうか」




　「うん」






　嘘をつく心苦しさはあるけれど、爆弾はひとまず大丈夫だろう。






　あー疲れた。





　私は百合華さんが運転する車に乗り込むと、静かに目を閉じた。











　＊＊






　NEXT→これから二年後、岐阜に舞台転換








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1年前　修学旅行　〜2週間前〜→←米花中央病院

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