はるばる東都まできた義眼の女子大生がラムに間違われる話。

説得 ページ28

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　「危険なことぐらい分かってますよ。





　それより、お兄さんこそそんな服で大丈夫なの？」




　「はあ？」





　「まだ、動いてるんです！ 解除している途中に遠隔操作されてタイマーが作動したら……」





　私もお兄さんに叫ぶように言う。





　「君達、何でそんな言葉を知ってるんだい？」





　「父が元爆発物処理班なんです。





　ある程度の知識ならあります、早く防護衣を着てきて下さい！」






　お兄さんは暫く考え込むと私と沙羅ちゃんに言った。





　「分かった、防護衣を着てくる。




　だから君達は早く避難を「嫌です」





　唐突に沙羅ちゃんが言葉を遮る。






　「沙羅ちゃん！？」





　「お兄さんが防護衣を着てくるまで、私もここを離れません。





　……でも、この子は先に連れて行って下さい」





　「……嫌だ！！ 私もいる！」




　「はあ！？」




　「絶対、沙羅ちゃんと一緒にいる！」






　沙羅ちゃんは私の言葉を聞くと、呆れたようにため息をついてお兄さんに言った。






　「で、私達二人を助けるにはお兄さんが防護衣を着てくるしかないみたいだけど？」





　「一体何なんだ君達は……」





　お兄さんは根負けしたようで、その後すぐに防護衣を着て戻ってきた。





　沙羅ちゃんが私に目配せをしたのを合図に私達は思いっ切り走り出す。





　下に着いて人混みに紛れた数秒後、爆発音と共にマンションの一角が崩壊した。






　消防車やパトカーのサイレンが響き渡る中、沙羅ちゃんと私は手を繋いだまま呆然と立っていた。











　＊＊





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