黒い悪魔と悪い子タコちゃん ページ40
｢何者にもなれない悲しさってあると思うの｣
｢……病んでるんですか？｣
｢病んでない｣
｢それはすみません｣
｢なんでそんな事言ったの？｣
｢理由は二つですね｣
｢一つ目は？｣
｢そんな事をいきなり言われたら、誰だって｢コイツは気が触れたのか？｣と思うものでしょう｣
｢二つ目は？｣
｢Aさんの言葉に対する返答……いわゆる｢正解の返答｣を僕は持ち合わせていないので｣
｢成程。じゃあ、正解じゃなくていいよ。何者にもなれない悲しさって、アズは感じた事ない？｣
｢そうですね……ノーコメントで｣
｢酷いなぁ｣
｢いつもの事でしょう？｣
｢……ふふ、そうだね｣
｢なんですか、いきなり。気持ち悪い｣
｢酷くない？｣
｢酷くないですよ｣
｢……ごめん、席外す｣
｢何故？｣
｢煙草が吸いたくなった｣
｢口寂しいなら、キスでもしましょうか？｣
｢キスじゃ埋められない。煙草が良い理由があるんだ｣
｢……その理由とは？｣
｢聞くのは野暮じゃない？強いて言うなら、大人の嗜みってやつだよ｣
｢成程………なら、取るだけ取って帰ってきて下さい｣
｢何でまた？｣
｢良いから。……デートでもしませんか？｣
｢こんな深夜に？何処へ？｣
｢真夜中の散歩で感じる、ちょっとした背徳感を教えたのは誰でしたっけ？｣
｢あー……ごめん、私だわ｣
｢責任を取ってください｣
｢えぇ……｣
｢あなたのせいで僕、悪い子になっちゃったんです。ほら、責任重大でしょう？｣
｢その誘い方は狡いだろ。仕方ないから取ってくるわ……｣
立ち上がったAが、部屋からゆらりと姿を消す。
その背中を見送ってから、アズールは深く息を吐く。
｢…………狡いのはAさんだろ｣
しばらくすれば、彼女がコートを着て、ポケットに手を入れて帰ってくる。
｢ほら、外出準備と家族への許可は取ったぞ｣
｢オクタヴィネル寮をぐるりと回るだけでも良いですか？｣
｢え？私は良いけど……アズは平気なの？｣
｢口止めしますし、僕達に認識阻害魔法をかけておけば何ら問題はありません｣
｢悪い子だなぁ｣
｢ほら、外に出ないと吸わせませんからね｣
｢はいはい……｣
──────
｢ジッポなんですね｣
｢……ん？……んふぁ〜……そうだね｣
｢……煙が綺麗だと思ったのって、初めてです｣
｢アズ｣
｢はい？……ん……｣
｢……ん……黒い悪魔のお味だよ｣
｢……あっまい……｣
｢普通の煙草は苦いんだけどね｣
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 真理さん» 誕生花はロマンですよ……何やら残酷描写のある漫画があるみたいですね。花言葉も「自信 」とありますし、何やら思惑のある花とも思えるような思えないような……コメントありがとうございます！ (2021年7月10日 0時) (
レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
真理(プロフ) - この作品で誕生花の話が出てきた時思わず自分の誕生花を調べちゃうんですよね、ちなみに誕生花はミスミソウでした。ミスミソウって言われるとマンガを思い出しちゃうんですけどね…… (2021年7月10日 0時) (レス) id: 155b63405e (このIDを非表示/違反報告)
とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 真理さん» ありがとうございます！シリーズがやけに長いので、休み休み読んで頂けると幸いです(笑) (2021年2月9日 0時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
真理(プロフ) - 不思議と中毒性がある小説ですね…こういうのをかけるように頑張んないと… (2021年2月8日 22時) (レス) id: 155b63405e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ( ﾟ∀ﾟ):∵ｸﾞﾊｯ!!(ゆいは推し組((アズール、イデア))によって10000ダメージを受けた) (2020年11月28日 1時) (レス) id: 74f12133a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とある誰かの作品倉庫 | 作成日時：2020年11月23日 1時
