毒も食らわば皿までいただきます ページ27
｢結局、温泉には普通に行けましたね。色々と収穫があり、充実した時間でした｣
｢本当にね……私としては代償が大きすぎるけど……｣
｢持ってきた昔の写真を燃やして、焚き火をしている真っ最中なくらいですからね｣
｢昔の私のことは、無かったことにしたいからね｣
｢おや、ここはお揃いですね｣
｢そうかもね。でも、今の自分は最高傑作だと思ってるよ｣
｢『最高傑作』？まるで作品のように言いますね｣
｢実際そうなんだって。努力して作り上げた『性格』っていう『作品』だから｣
｢あぁ、腑に落ちました｣
｢何が？｣
｢いや、ヤケに距離をとる方だとは思ってたんですが……作品を開示しているだけで、本心は別にあるのだな、と｣
｢あながち間違いじゃない｣
｢僕なら受け止めて差し上げますが？写真も見ましたし｣
｢要らないし、すぐさま記憶を抹消しろ｣
｢嫌です｣
｢どっちに対して？｣
｢どっちに対してもです｣
｢クソっ……！｣
｢あなたが、本気の感情を剥き出しにしている材料ですからね。忘れる訳が無い｣
｢弱みに付け込みやがって……だから会わせたくなかったんだ……｣
｢安心してください。誰にも言いませんよ｣
｢そういう問題じゃない｣
｢じゃあ、どういう問題何ですか？｣
｢……天才に囲まれて育った凡人の気持ちなんて、お前にはわかるめぇよ｣
｢劣等感まみれですね｣
｢本当の私は劣等感の塊だよ。あんな天才共に勝てる気しないもん｣
｢僕はそれでも、あなたが好きですよ｣
｢ひいき目だろ。どうせ、アズだって、いつかは私を誰かのオマケにするんだ｣
｢酷い言われ様だ。若干傷付いたんですが？｣
｢知らないし………私は、ママや、ライや、パパのオマケでしかない。誰かのオマケにしかなれないんだ……｣
｢そうは思いませんが？｣
｢今だけだよ。私なんて、面白味もない人間なんだから……｣
｢随分な変わり様に驚きを隠し得ないですよ、僕は。いつもの尊大な態度はどうしたんですか？｣
｢あれが最高傑作だからだよ。笑っていられる為の作品だから……笑っていなきゃ、私に価値なんてない｣
｢……良いですね、それ｣
｢は？｣
｢孤独の中で誰にも愛されずに、唯一僕だけが愛することが出来るなんて…………これ以上無い愛の証明ではありませんか！なんて素晴らしい！｣
｢そんな事を言うのは、君くらいなものだと思うけど｣
｢僕、強欲なので｣
｢……あっそ｣
｢おや？照れてます？珍しい｣
｢……こっち見んな｣
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 真理さん» 誕生花はロマンですよ……何やら残酷描写のある漫画があるみたいですね。花言葉も「自信 」とありますし、何やら思惑のある花とも思えるような思えないような……コメントありがとうございます！ (2021年7月10日 0時) (
レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
真理(プロフ) - この作品で誕生花の話が出てきた時思わず自分の誕生花を調べちゃうんですよね、ちなみに誕生花はミスミソウでした。ミスミソウって言われるとマンガを思い出しちゃうんですけどね…… (2021年7月10日 0時) (レス) id: 155b63405e (このIDを非表示/違反報告)
とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 真理さん» ありがとうございます！シリーズがやけに長いので、休み休み読んで頂けると幸いです(笑) (2021年2月9日 0時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
真理(プロフ) - 不思議と中毒性がある小説ですね…こういうのをかけるように頑張んないと… (2021年2月8日 22時) (レス) id: 155b63405e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ( ﾟ∀ﾟ):∵ｸﾞﾊｯ!!(ゆいは推し組((アズール、イデア))によって10000ダメージを受けた) (2020年11月28日 1時) (レス) id: 74f12133a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とある誰かの作品倉庫 | 作成日時：2020年11月23日 1時
