【ツイステ】運命の人は鏡越しに［アズール･アーシェングロット］

鏡を閉じない理由とか ページ18

｢あのさ、アズ｣

｢何ですか？｣

｢寝れない｣

｢明日仕事でしょう？｣

｢うん。でも寝れない｣

｢お馬鹿さん。僕を巻き込まないでください｣

｢えー｣

｢大人だろ。一人で寝ろ｣

｢…………部屋繋がりっぱなしだね｣

｢閉じる方法、わからないので｣

｢わかんないの？｣

｢ええ。おまじないが成功するとか、思わないじゃないですか｣

｢確かに｣

｢しかも、監督生さんから伝え聞いたものですし｣

｢あ〜。人づてだったら、もっとわかんないや｣

｢でしょう？｣

｢うん。わかんないや｣

｢……あと、閉じたくないんですよ｣

｢なんで？今の状態だと、プライバシーゼロ空間じゃん。いつでも同居夫婦じゃん。運命共同体かよ｣

｢良いですね。もう籍まで入れてしまいましょうか｣

｢何も良くねぇよ。目を覚ませ、メンヘラ｣

｢僕はメンヘラじゃない｣

｢じゃあなんだよ｣

｢………………メンダコ？｣

｢…………え？｣

｢冗談ですよ。ブラックジョークです｣

｢だよね｣

｢眠くなりました？｣

｢むしろ目ぇ冴えたんだけど｣

｢おや、残念｣

｢あぁもう……ちょっとはまじめに相手しようぜ？｣

｢してますよ。ちゃんと｣

｢半分寝てるだろ｣

｢否定はしません。僕も明日は、学校と部活動と、ラウンジのシフトがありますから｣

｢忙しいね、青年実業家｣

｢いえいえ。ワーカーホリックなAさん程では無いですよ｣

｢その割には薄給なんだよなぁ……｣

｢可哀想に｣

｢ひでぇ｣

｢…………｣

｢…………あの｣

｢何？｣

｢閉じたくない理由、聞かないんですか？｣

｢あ。話し流れて忘れてたわ｣

｢おい｣

｢聞いてもいいの？｣

｢構いません。むしろ聞け｣

｢むちゃくちゃだなぁ……何でなん？｣

｢……異世界なんですよ？一度閉じたら、もう会えなくなりそうじゃないですか｣

｢寂しいの？｣

｢……まぁ、そりゃぁ……｣

｢可愛いね｣

｢急に口説くな｣

｢あ、思い出した｣

｢何ですか？｣

｢監督生って、異世界人じゃなかったっけ？｣

｢……あぁ、そういえば｣

｢私の世界なのかどうか、ちょっと気になる｣

｢そうですね。監督生さんが帰れば、問題は万事解決しそうな気がしますし｣

｢貴重なシフト埋めのヘルプなんじゃないの？｣

｢店内放送聴きながらサボってますよ、あの人｣

｢マジで？｣

｢店が暇な時とか、たまにですけどね｣

｢つか、監督生って性別どっち？｣

｢中性的な男子ですね｣

｢へぇ〜。会えるの楽しみだなぁ｣

パラレルワールドでした。ちゃんちゃん→←スイッチを入れる口上

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