ナベリウス・カルエゴの妻と実技魔術 ※心臓破り後、教師就任軸 ページ25
「はーい、後からの新入りで申し訳御座いませんがね。実技担当補佐のフォカロル・Aでーす!皆はよく知ってるよね?」
「「「カルエゴ先生の奥さん来ちゃったー(でござるー)!?!?」」」
騒ぎ、驚き、各々リアクションを見せる問題児達の様子に、Aはケラケラと笑い飛ばす。
何となく知っている人が来たということ&担任の陰湿教師であるカルエゴの妻だと言う事で、問題児達は(一人を除いて)興味津々である。
「あっはは!リアクションが良くてたぁいへんよろしい!オペラ先輩、取り敢えず何すればよろしいです?」
「そうですね……」
「はいはーい!A先生!質問!!」
「静かに。……まぁ、気になる事は多いでしょうし、今日は交流も兼ねて軽く『魅せて』頂きましょうか」
宥めるオペラからの言葉に、問題児達は首を傾げる。
対するAはニコリとした『笑顔』で背後から小さな鯨を出現させた。
「軽く『魅せる』形でよろしいんですか?」
「構いませんよ。『最新魔術研究の先端』にいる悪魔の魔術、楽しみですね」
水飛沫を上げて跳ね上がる水の鯨に、問題児達は目を輝かせ、言葉を失った。
「そんなに凝ったものはありませんよ。私の魔術が使われるのは、主に舞台装置などですから」
ステップ。
彼女の足がなぞった後から、使い魔のウンディーネが顔を出して踊り出す。
海月や群れを成す魚達等も水で形成されていく。
最初の鯨は、悠々と問題児達の周りを廻る様に泳いでいた。
「久しぶりに見ましたが、矢張り圧巻の光景ですね」
「す、げぇ……」
「うぉっ!?……こんなん食われたら終わりだろ……」
「使い手のA先生共々、美しいですね〜……」
感嘆の声が上がる中、入間もまたその光景に目を奪われていた。
「き、綺麗だね……ここら辺が全部、水族館みたいだ……!」
「懐かしい魔術です。昔、Aお姉様が母上に連れられて来た際には、よく見せてくれたものでした」
「キレーだねー……ねーねー、これ私も入っちゃダメかな!?」
アスモデウスも傷心中の自身の事など忘れており、クララは今にでもはしゃぎたいと言った具合だ。
問題児達の様子を見ながら、Aは彼らに手を広げて見せる。
カルエゴの惚れた、あの美しい笑みで。
そして、その美声で誘うのだ。
「おいで。歌いたい人も、踊りたい人も、遊びたい人も。良いでしょ?オペラ先輩」
「戦術では『籠絡』という手もあります。問題は無いですよ」
カルエゴの怒りが飛んでくるまで、あと──
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作者名:とある誰かの作品倉庫 | 作成日時:2023年10月13日 0時