検索窓
今日:29 hit、昨日:16 hit、合計:8,838 hit

ナベリウス・カルエゴの妻と実技魔術 ※心臓破り後、教師就任軸 ページ25

「はーい、後からの新入りで申し訳御座いませんがね。実技担当補佐のフォカロル・Aでーす!皆はよく知ってるよね?」
「「「カルエゴ先生の奥さん来ちゃったー(でござるー)!?!?」」」

騒ぎ、驚き、各々リアクションを見せる問題児達の様子に、Aはケラケラと笑い飛ばす。

何となく知っている人が来たということ&担任の陰湿教師であるカルエゴの妻だと言う事で、問題児達は(一人を除いて)興味津々である。

「あっはは!リアクションが良くてたぁいへんよろしい!オペラ先輩、取り敢えず何すればよろしいです?」
「そうですね……」
「はいはーい!A先生!質問!!」
「静かに。……まぁ、気になる事は多いでしょうし、今日は交流も兼ねて軽く『魅せて』頂きましょうか」

宥めるオペラからの言葉に、問題児達は首を傾げる。
対するAはニコリとした『笑顔』で背後から小さな鯨を出現させた。

「軽く『魅せる』形でよろしいんですか?」
「構いませんよ。『最新魔術研究の先端』にいる悪魔の魔術、楽しみですね」

水飛沫を上げて跳ね上がる水の鯨に、問題児達は目を輝かせ、言葉を失った。

「そんなに凝ったものはありませんよ。私の魔術が使われるのは、主に舞台装置などですから」

ステップ。
彼女の足がなぞった後から、使い魔のウンディーネが顔を出して踊り出す。
海月や群れを成す魚達等も水で形成されていく。
最初の鯨は、悠々と問題児達の周りを廻る様に泳いでいた。

「久しぶりに見ましたが、矢張り圧巻の光景ですね」
「す、げぇ……」
「うぉっ!?……こんなん食われたら終わりだろ……」
「使い手のA先生共々、美しいですね〜……」

感嘆の声が上がる中、入間もまたその光景に目を奪われていた。

「き、綺麗だね……ここら辺が全部、水族館みたいだ……!」
「懐かしい魔術です。昔、Aお姉様が母上に連れられて来た際には、よく見せてくれたものでした」
「キレーだねー……ねーねー、これ私も入っちゃダメかな!?」

アスモデウスも傷心中の自身の事など忘れており、クララは今にでもはしゃぎたいと言った具合だ。
問題児達の様子を見ながら、Aは彼らに手を広げて見せる。

カルエゴの惚れた、あの美しい笑みで。
そして、その美声で誘うのだ。

「おいで。歌いたい人も、踊りたい人も、遊びたい人も。良いでしょ?オペラ先輩」
「戦術では『籠絡』という手もあります。問題は無いですよ」

カルエゴの怒りが飛んでくるまで、あと──

ナベリウス・カルエゴと説教 ※心臓破り後、教師軸→←ナベリウス・カルエゴと妻と旧友と先輩 ※心臓破り後、教師就任軸



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
46人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:とある誰かの作品倉庫 | 作成日時:2023年10月13日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。