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ナベリウス・カルエゴと卒業 ※カルエゴ学生時代 ページ15

卒業までの間に様々な事があった。
二年の終末日に悪周期のアイツを見舞いに行ったり。

あいつが生徒や教師、その他悪魔達の相談に乗り解決するのを手伝ったり。

オペラ先輩の使いっ走りをしている際に出くわし、共に向かったり。

シチロウの魔生物の研究にAが参加し、議論に発展したり。

A自身も、悪魔心理学なるものの研究を始め、功績を上げ始めていた。


卒業時には俺とシチロウは8(ケト)、Aは9(テト)となっていた。

「何故お前がそこまでランクを上げている……!!」
「え?私の上げた功績上げてく?」
「いらんわ!!」
「まぁ、かなりバランス良く成長してるもんね、Aちゃん……」

就職活動の期間では、シチロウも俺もバビルスに就職。Aに至ってはオファーが殺到し、最後まで就職先を聞く機会もなかった。

──その中に13冠の誘いもあったのだ。

俺はあの時の約束通り、『俺個人』のSDとしてオファーも出したが、コイツが覚えている訳が無い。
考えるまでもなく、コイツは13冠となり、フォカロル家の当主となるのだろう。
そう思っていた。

「お前、結局就職先はどうした?」
「あ、そういえば聞いてなかったね」
「え?……エギー、お父さんに聞いてない?」
「はぁ?」
「エギーのSDになるよ?」

──言葉の意味を理解するのに数秒かかった。

「わぁ、そうなんだ。てっきり当主になると思ってたよ」
「そしたら心理学研究が出来ないじゃん。『コンサルタント』は家に所属してれば出来るし、弟も承認済み」
「あ、そうか。Aちゃんには弟君いたもんね。あれ?でも13冠のお誘いも届いてなかった?」

SD?
セキュリティデビル?
俺のオファーを?
受けたのかコイツ?

「断ったよ。誰かのSDになるのに、13冠にはなれないでしょ?」
「……カルエゴ君?大丈夫?」

近付いたAの顔を見て、理解が追いついた。
勢いのまま奴の肩を掴む。
そのまま揺さぶり、怒りのまま声を出す。

「きっっっ……様ァ!!!」
「えっ!?」
「13冠だぞ!?なぜ蹴った!?答えろアホが!!!」
「えぇ……だって約束したじゃん。スカウト来て思い出したから……」

思い出しただと?
その約束の為に、コイツは13冠の座も、願って止まなかった当主の座も放り出し、俺のSDになる事を選んだだと?

「……っっっっ!クソッ!勝手にしろ!!」
「約束したのエギーなのに理不尽すぎんか」
「粛に!!!」

顔が熱い。こんな姿、このドアホに見せてたまるか。

ナベリウス・カルエゴとSD ※過去編→←ナベリウス・カルエゴと約束 ※カルエゴ学生時代



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作者名:とある誰かの作品倉庫 | 作成日時:2023年10月13日 0時

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