心当たりはあるか？『リリア編』 ページ38
医務室にて。
私はリリア先輩に促されるまま、上着とネクタイ、ワイシャツを取り去っていた。
しかし、別に『そういう』雰囲気になる訳でもない。
リリア先輩は、私の背中を診察でもするように、ジッ……と見つめていた。
……何か、あるのか？
『人間には無い部位』の出入口の為、私としては落ち着かない。
「あの、リリア先輩……」
「なんじゃ？」
「その……背中を見せてから……かれこれ５分は経ってます」
「そうじゃったか。老いると時間の流れが早くてならんな」
そう言って、リリア先輩は私の背骨の上をそう形で、指を滑らせる。
ゾワゾワ……と鳥肌が立ち、前を見られるのも厭わずに振り向く。
「何するんですか！」
「……お主、矢張りそこじゃな？」
「何が！」
「翼の出入口じゃよ。くふふ、触腕は何処じゃろうなぁ……」
鋭く言い当てるリリア先輩は、妖しく目を細めて私を見る。
それがあんまりにも恐ろしくて、私は思わず『お、同じですよ！触腕の奥に翼があるんです！』と叫んで白状した。
「ほう、そうじゃったか」
「何なんですか！？何がしたいんですか！」
「誤解が生まれとるな……別に危害は加えんし、生娘に興奮するほどわしも若くは無い」
最もな答えが返ってきた様に感じた。
だからこそ、脳内の疑問符が増えるばかりで、何も解決はしていない。
脳内がフリーズした私を見て、『困った娘じゃな』と呟くリリア先輩。
『よいしょっ……とな』と掛け声を上げ、私の背中をもう一度観察し始める。
「ふむ……矢張りな。A、よく聞くが良い」
「あ……はい」
「肉体にかかっている筈の封印魔法が弱まっておる。何か、心当たりはあるか？」
いきなりそんな事を言われても、心当たりなんてある訳が無い。
私の封印魔法は『私の魂』と直結していて、私自身が強度を操る事は出来ない。
故に、それが弱くなるなんて、魂が弱体化したとしかわからない。
しかしリリア先輩は、そんな私を見て悩み始める。
「些細なことで良いぞ。ケーキを食べ損なった。洗濯物を出し忘れた……後は──誰かと喧嘩したとかもじゃな」
『ストレスの影響をもろに受けるものじゃし？』と軽い調子で、問いかけを続けるリリア先輩。
喧嘩──……気にしてるの、関係あるのかな……
いやでも、あれは──……いや、アズール先輩は悪くないかも。
私が言い過ぎただけだ。
「あの、私……お世話になってる人と、喧嘩して……仲直り出来てないです」
話すだけなら良いじゃろ『リリア編』→←口が滑ってしまったようじゃ『リリア編』
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - みーさん» わぁ、ありがとうございます！誤用しがちだったので助かります！ありがとうございます！ (2021年6月3日 20時) (
レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - すみまへんめちゃくちゃ誤字してました！謙遜する場合は「力不足」となります！本当すみません(泣) (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 初コメ失礼します！ページ25で夢主ちゃんが言っていた「役不足」は「役目が実力不相応に軽いこと」「与えられた役目に不満を持つ」となりますので、謙遜するのでしたら「役不足」が適任かと思います！楽しく読ませてもらっているのに初コメがこんな内容ですみません！ (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 43さん» 正解です！主人公の家柄はクトゥルフ神話系統の封印をしている設定になってます！気付いて下さり、またコメント頂きありがとうございます！ (2021年6月2日 11時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
43 - お話の構造とか滅茶苦茶好きです…！もしかしてクトゥルフ要素入ってますか…？ (2021年6月2日 10時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とある誰かの作品倉庫 | 作成日時：2021年5月27日 4時
