僕に『男女交際』を教えて欲しい『リドル編』 ページ25
さて、あれから数日間。
色んなお客様からのご予約があって、私自身もてんてこ舞いになってきていた。
思い出せる限りで上げてみると──
──一昨日は3年のサバナの先輩。
──昨日はポムの同級生。
──今日の朝の登校時間まで予約に入ってたのはディアソの2年の先輩。
これからの予定を確認すべく、授業中には手帳とにらめっこ。
次は──昼休み……から放課後まで？長いな。
相手は……え？
「リドル……先輩？」
手帳にコピペするのはほぼ作業なので、実はなんにも見てなかったりする。
てかそうじゃん！一週間前から予約してて、ハートの女王の法律丸暗記してたの、この為だった！
「どうしよう……まだ全然覚えてない……」
サァ……と青ざめ、体温を失っていく体。
放心している間に、『失礼するよ』と教室の扉から、目的の人の声がした。
ゆっくりと振り返れば、もう間違いなく、そこにはリドル先輩が。
「迎えに来たよ。さぁ、一緒に昼食を食べようか」
「……リドル先輩、ひとつ良いですか？」
「どうしたんだい？質問によっては、首をはねてしまうよ」
その一言に、冷や汗が止まらない。
呼吸が浅くなる。
リドル先輩は、首を傾げて私を見つめる。
「ほら、早くお言いよ。大丈夫だから」
「あー……その……大変言いにくいのですが……ハートの女王の法律を、まだ暗記しきれてなくて……」
視線が泳ぐ。
チラ、とリドル先輩の様子を伺った。
彼は、元々がくりっとした目を、更にくりくりまん丸に見開いて私を見つめる。
「……君は──」
「いや、本当にごめんなさい！努力はしました！覚えようとはしたんです！」
「誤解をしておいでだよ。顔を上げておくれ」
リドル先輩は、頭を下げて震える私の顎に触れ、軽く上げさせる。
促されるままに視線を上げる。
目の前の彼は、クスクスと可笑しそうに笑っていた。
「あの……お、怒ってませんか？」
「大丈夫。他寮の生徒にまで、自分の寮の規則を押し付けたりしないよ。……詳しい事は、食堂で説明しよう。よろしいかい？」
「ありがとうございます」
予想に反した言葉に、一息吐いた。
さり気なく手を繋がれ、食堂まで共に向かう。
自分達の食事を摂り、席に着く。
『君は食事を進めていていいよ』と許可を頂いたので、有難く食事にありつくことにした。
「さて……おわかりだとは思うけれど、改めて説明しようか。──ボクに『男女交際』というものを教えてくれないかい？」
人選間違ってません？『リドル編』→←私はクトゥルフの贄なんです『小休止』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とある誰かの作品倉庫(プロフ) - みーさん» わぁ、ありがとうございます！誤用しがちだったので助かります！ありがとうございます！ (2021年6月3日 20時) (
レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - すみまへんめちゃくちゃ誤字してました！謙遜する場合は「力不足」となります！本当すみません(泣) (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 初コメ失礼します！ページ25で夢主ちゃんが言っていた「役不足」は「役目が実力不相応に軽いこと」「与えられた役目に不満を持つ」となりますので、謙遜するのでしたら「役不足」が適任かと思います！楽しく読ませてもらっているのに初コメがこんな内容ですみません！ (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 43さん» 正解です！主人公の家柄はクトゥルフ神話系統の封印をしている設定になってます！気付いて下さり、またコメント頂きありがとうございます！ (2021年6月2日 11時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
43 - お話の構造とか滅茶苦茶好きです…！もしかしてクトゥルフ要素入ってますか…？ (2021年6月2日 10時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とある誰かの作品倉庫 | 作成日時：2021年5月27日 4時
