君が優しいのは、仕事だからでしょ？『イデア編』 ページ19
そこから一時間。
イデア先輩の腕の中に抱えられつつ、普通に駄菓子食べたりゲームの続きしたりと割と自由を許されていた私。
イデア先輩の方も慣れてきたのか、偶に効率の良い攻略法を教えてくれる。
「んー……どうすんだろ、コレ……」
「あー、詰みっすわ。ココは一旦戻って」
「何処までですか？」
「えーっと……あ、すみませぬ、ちょっと背後から来てるから撒いて」
「はーい」
ゲーム上手な先輩って感じで、この人、壁作んなきゃ普通にいい人なんだよね。
ゲームの操作をしていたら、口元に駄菓子を押し付けられる。
口だけ開けて駄菓子を迎え入れ、モグモグと咀嚼する。
「ココからどうします？」
「ちょっと拙者に貸して貰えますかな？」
「いっすよー」
「ココ、自分でやった時も思ったんですが、ホント初見殺しも良いとこなんですわ。クソゲーオブザイヤーなんで、何度もコントローラー投げそうになってるし」
「やば」
私の脇から伸びている手が、コントローラーを操作している。
邪魔にならないように、イデア先輩の口に駄菓子を押し付ける。
無言でモグモグと食べてくれる。
なんか、少し前に流行った某モルモットフェルトアニメを想起させる。
「ん」
「どーもー」
「……あのさ、A氏」
イデア先輩に呼び止められたので、ゲームをポーズ画面にして見上げる。
「どうしました？」
「……その、本当に嫌じゃない？」
「え？まぁ、特に気にしてませんよ」
「……ふーん」
イデア先輩は、そこから黙り込み、眉間に皺を寄せる。
私、知らない間になんかしたかな？
質問しようとしたら、『ごめん』と先に謝られた。
「どうしました、イデア先輩？」
「……A氏ってさ、優しいよね」
「そうですか？」
「うん」
イデア先輩は、そう言いつつも眉間の皺を消す気は無いらしい。
そのまま、ふとゲーム画面に視線をやり、私の手からコントローラーを取る。
ギュッと手を握られる。
沈黙がしばらく続いた後、上から深呼吸が聞こえてきた。
「君の隣って、すごい落ち着くし、一緒に過ごしてくれるのは有難いんすわ」
「え？告白ですか」
「今は拙者のターンですぞ」
「あ、ごめんなさい」
イデア先輩の言葉に茶々を入れたら、軽く小突かれた。
私はキョトン、とするしかなく、そのまま彼の言葉を待つ。
「でも、拙者みたいな陰キャオタクにも優しいのは……仕事として来てる……から？」
聞こえた声は震えていた。
私、ゲームには嘘つきません『イデア編』→←僕の夢を、叶えてくれない？『イデア編』
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - みーさん» わぁ、ありがとうございます！誤用しがちだったので助かります！ありがとうございます！ (2021年6月3日 20時) (
レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - すみまへんめちゃくちゃ誤字してました！謙遜する場合は「力不足」となります！本当すみません(泣) (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 初コメ失礼します！ページ25で夢主ちゃんが言っていた「役不足」は「役目が実力不相応に軽いこと」「与えられた役目に不満を持つ」となりますので、謙遜するのでしたら「役不足」が適任かと思います！楽しく読ませてもらっているのに初コメがこんな内容ですみません！ (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 43さん» 正解です！主人公の家柄はクトゥルフ神話系統の封印をしている設定になってます！気付いて下さり、またコメント頂きありがとうございます！ (2021年6月2日 11時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
43 - お話の構造とか滅茶苦茶好きです…！もしかしてクトゥルフ要素入ってますか…？ (2021年6月2日 10時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とある誰かの作品倉庫 | 作成日時：2021年5月27日 4時
