発端はやっぱり…… ページ1
「Aさん、今日は上がって結構ですよ。その代わり『お話』があります。急いでVIPルームに来なさい」
ホールにて接客をし、オーダーを通した後の事。
バイト先であるラウンジの総支配人であるアズール先輩が、いきなり私にそんなことを言ったのだ。
ちなみに、アズール先輩は私の所属寮であるオクタヴィネル寮の寮長だったりする。
蛇足としては、とてつもない商売人(守銭奴)。
私個人としては、あの人、金の為なら何でもするんじゃないかと思ってる。
訝しく思って3秒程呆ける私。
キッチンのデシャップ付近から、舌打ちが聞こえた。
「メダカちゃん早く上がれよ、邪魔なんだけどぉ？」
怖いと有名なフロイド先輩が、不機嫌そうに叱ってくる声で我に返る。
ホールとキッチンに慌てて頭を下げた。
「す、すみません！お先、失礼します！」
「はい。更衣室の人払いも済ませていますよ」
ジェイド先輩が、人当たりの良い微笑みで教えてくれる。
慌てて礼を告げ、急いで更衣室に向かう。
何度見ても思うんだけど、ジェイド先輩とフロイド先輩って、本当に瓜二つだよなぁ……
双子だし当たり前か。
更衣室に着いた。
ジェイド先輩の言う通り、誰一人として中には居なかった。
ホッと一息。この気配りには感謝しきりである。
この学園でたった一人(いや、オンボロ寮の監督生も含めれば二人か？)の女子生徒なんて、過ごしにくいことこの上ないのだ。
制服を脱ぎ、ハンガーに掛けながら、ため息が漏れる。
「はぁ〜……男になりたい……」
このボヤキも、もう何度目か。
そりゃあ、男子校のほとんど紅一点な訳だし、告白やら恋愛感情をぶつけられる事も多くあった。
今だって色々と優遇されてるのは身に染みてる。
だからこそ、私は申し訳なくて身が縮む思いなのだ。
支給された男子制服に身を包む。
ワイシャツを弛ませ、ブレザーを押し上げる自分の胸が憎い。
着替えを終わらせ、重い足取りでVIPルームに向かう。
目の前に現れた高級感のある扉をノックする。
「寮長、Aです」
「入ってください」
許可が出たので、「失礼します」と一言添えて扉を開ける。
中にはソファに腰かけるアズール先輩。
いつもの通りに席に促され、腰掛ける。
アズール先輩は、コホン、と一つ咳払いをしてから、口を開いた。
「早速本題に入ります。Aさん、レンタル彼女というのをご存知ですか？」
──マジでこの人、金のためならなんでもするんだなぁ……
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - みーさん» わぁ、ありがとうございます！誤用しがちだったので助かります！ありがとうございます！ (2021年6月3日 20時) (
レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - すみまへんめちゃくちゃ誤字してました！謙遜する場合は「力不足」となります！本当すみません(泣) (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 初コメ失礼します！ページ25で夢主ちゃんが言っていた「役不足」は「役目が実力不相応に軽いこと」「与えられた役目に不満を持つ」となりますので、謙遜するのでしたら「役不足」が適任かと思います！楽しく読ませてもらっているのに初コメがこんな内容ですみません！ (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 43さん» 正解です！主人公の家柄はクトゥルフ神話系統の封印をしている設定になってます！気付いて下さり、またコメント頂きありがとうございます！ (2021年6月2日 11時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
43 - お話の構造とか滅茶苦茶好きです…！もしかしてクトゥルフ要素入ってますか…？ (2021年6月2日 10時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とある誰かの作品倉庫 | 作成日時：2021年5月27日 4時
