秋の贈り物 ページ36
街も色づいてきた頃、Aは外から聞こえるッ特徴的な高音に気づき
『焼き芋か、秋だなぁ』
と思いながら一旦記事を書く手を止めると移動販売している煙突の付いた車を見下ろした。石焼き芋おいしそうだな、と思いつつ今の時間は16時なので今買って食べたら確実に夜ご飯が食べれなくなる、と我慢して元の位置に戻ろうとした時に部屋に響いたチャイム
何か頼んだっけ？と首を傾げて玄関に行けば溌溂とした笑顔で挨拶するお兄さんから段ボールを預かる。送り元は実家の母親だ。受領印を押して伝票を返せば「あざっす！」と大きな声で帽子を下げて挨拶してから走っていく配達員さんの後ろ姿を見送り部屋に入ると思い段ボールを引き摺り台所で開封したその中身は
『おぉ、タイムリー』
仕送りと一緒に野菜が詰め込まれており、その中に混じて詰められた大きなサツマイモ。その立派な風貌に両手で持って重さを実感していると
『！スイートポテト作ろうかな』
きっと蒸しただけでも十分甘いと思うが昔母さんに教えて貰ったこのスイーツなら難しくないしすぐに作れるはず。思い立ったらすぐ行動！と軽く洗ってから茹でる為に鍋を取り出した
それから１時間程で完成したスイーツポテト達に満足気に笑い食べきれなかった分を冷蔵庫に仕舞うAはご機嫌で夕食の支度も始めるのであった
次の日、お弁当と一緒に別詰めにしたスイートポテトをリュックに慎重に入れてお昼ご飯のデザートにしようとしていたのだが、
ko「あ、言峰さん」
ymg「ほんとだ」
『！こんにちわ』
お昼休憩のベンチまでの道すがらに出会った二人にお昼に誘われたがお弁当があると伝えると
ko「結構持ち込みで食べてる人いるし良いんじゃない？」
ymg「確かに」
『え、と、じゃあ』
食堂に言ったことが無いAには知らない情報だった為それならば、と一緒に向かい、頼んでくる二人を見送ってからお弁当を出して待っていると
ko「おまたせ」
ymg「食べましょ」
『はい』
まずは卵焼きからと食べようとしているAは二人の視線が自分に向いている事に気づき動きを止めると「どうしました？」と尋ねる。すると、
ko「たしか言峰さん一人暮らしって言ってたよね？」
ymg「え！？自炊！？」
『は、はい。実家からお野菜とか諸々送られてくるので』
ko「えっら、」
自分で頼んだランチを食べながら興味深そうに見てくる二人に恥ずかしくなりながらも褒めてくれる二人に嬉しそうに微笑んだ
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伊予葉(プロフ) - 初めまして。 主様の書く文章が大好きで、主様に語彙力に毎話脱帽しています！ お忙しいとは思いますが、続き楽しみにしています…！ (2023年2月5日 14時) (
レス) @page47 id: 9e66b54d9b (このIDを非表示/違反報告)
ファン - こんにちは！更新とても楽しみにしています！ (2022年6月18日 17時) (レス) @page43 id: 50518e3137 (このIDを非表示/違反報告)
クオリア(プロフ) - まゆきさん» 作品の内容までは考えなかったんですけど日常の中にある非日常を知覚した時が一番怖いと思ってるんできっとふとした時に思い出してしまうようなお話だったんだと思いますｗ読み聞かせは表現力が大事なのできっと黒幕さん頑張りました (2022年2月17日 22時) (レス) id: dafdcd86e4 (このIDを非表示/違反報告)
まゆき(プロフ) - izwさんにもう二度と書かせないと言わせるほどの作品…読んでみたくなるなぁ… (2022年2月17日 7時) (レス) @page35 id: aca3a82b8e (このIDを非表示/違反報告)
クオリア(プロフ) - クリさん» コメントありがとうございます！最後まで頑張ります！ (2022年2月12日 19時) (レス) id: dafdcd86e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クオリア | 作成日時：2022年1月30日 23時
