50話 ページ1
「言い方考えろよ。ま、そうだけどな。スイカ買ってきたから食おうぜ」
スイカひと玉買ってくる人いるんだな〜。
「よし、タクヤ、アッくん、行くんだ」
「わかった。お茶もいるよね」
「そだね。もう適当にやっちゃって」
「ドラケン君、スイカお預かりします」
「お、おう」
「アッくん緊張しすぎ」
ドラケン戸惑ってんじゃん。
◆
「パーは結局1年以上出てこれねえ」
スイカを食べ終え、全員のコップが氷だけになった時、ドラケンが言った。
「長内は？」
「生きてる。長内死んでたら、成人まで出てこれねえよ」
へえ……。人殺した罪ってそんなに重いんだ。なら、未来の佐野と稀咲は死刑か？？
「佐野は？一緒じゃないの？」
「あんなヤツと一緒なわけねーだろ！！！チッ、あのヤロー、ふざけやがって」
力任せに机を殴るドラケン。その机の上には、私の3日間の全てが詰まった品物が置いてある。
「ドラケン、それ……」
私はドラケンの下を指さす。
「ん？あ……ゴメン」
気づいたドラケンが私に謝った。ふざけんな、許すわけないだろおおおおお。
「ごめんと思うなら……駅前のクレープ奢って……」
「オマエ、何言ってんだよ」
ぐずぐずと泣き真似をする私を、全員が白い目で見る。待って、マジで涙出てきた。
「オレ、オマエの涙が嘘か真かわからねえよ」
「マコトはオレだぜ」
「誰もオマエは呼んでない」
溝中五人衆独特の空気が流れると、ドラケンが鬱陶しそうに言った。
「とにかく、オレはもうマイキーとは縁切るわ。オレの前でアイツの名前も出すな。東卍も終わりだ」
いや、縁切るならマイキー呼び辞めれば？佐野くんとかにしたらいいんじゃない？ダメなの？？
「えーっと、冗談って可能性は？？」
あるわけないだろという目で睨まれ、言葉も出ない。噂では、東卍は女と一般人には手を出さないって聞いたけど、不良やってる女は別なのかな？？
「邪魔したな」
部屋を出ていくドラケン。え、どーする？追いかける？ヒロインなっちゃう？？……なっちまおっかー！！
「じゃ、ちょっとヒロインなってくるわ」
「「「「行ってら」」」」
呆れる4人に笑いかけ、私は階段を駆け下りた。絶対安静とか、知らねえし。ルールは破るためにある！！
「ドラケン！東卍も終わりってどういう事！？状況教えてよ……って、ええ！！？」
閉まる扉にギリギリ体を滑り込ませて外に出ると、私の玄関前で、ドラケンと佐野が睨み合っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千 - 夢主の性格で、緊迫したシーンでも思わず吹き出してしまうところが大好きです。オチとかもあるのでしょうか？早く続きが読みたいです。 (2022年9月13日 22時) (
レス) id: db786199f7 (このIDを非表示/違反報告)
せい - ヤバいチョー面白い！ノリで出てる分全部読んじゃったよ…応援してます！更新頑張って下さい！ (2022年8月5日 15時) (レス) @page2 id: 9a69f5e0d3 (このIDを非表示/違反報告)
千 - 更新がとても待ち遠しいです。 (2022年7月20日 2時) (レス) @page2 id: db786199f7 (このIDを非表示/違反報告)
フユフユ - ハッピイエンドになって欲しい (2022年7月9日 9時) (レス) @page2 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Qoo01411/
作成日時：2022年7月7日 16時
