【d!】落ちこぼれ魔法使い【男主】

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you side


激しい風の感触を感じ、目を開ける。

いや、開けようとした、かな。

風が激しくて、目を開けるのも辛かった。そういえば、さっきから地面の感覚がない。

あれ？僕もしかして落ちてる？
え！？なんで！？

とか思ってるうちに、着々と地面は近づいてくる。

『あーあ。でも、フェリアのとこ行けるならいっか。』

思わず呟いた言葉に、なぜか僕が困惑する。


あれ？フェリアって、“誰だっけ？”


運がいいのか悪いのか僕が落ちたのは森の茂みで、かすり傷程度しか怪我をしなかった。

まぁ、若干血は出たけども。

ずっと茂みの上で寝転がっているのも痛いので、すぐに立ち上がり葉っぱをはらう。

僕は、何故落ちていたんだろうか。そもそも“僕”は、誰？

わからないまま立ち尽くしていても、何も進まないので、とりあえず歩いてみることにする。

今僕がいる森は、わりと静かなところだった。

いや、静かすぎるのかもしれない。鳥の鳴き声も、水の流れる音も聞こえない。

それでも、太陽だけは最高に良い天気で、本当に嫌になる。

ふと、吹いた風で今の季節を思い出す。

そう、今の季節は冬。僕が今着ているローブ一枚じゃ、当然ながら寒い。

あれ、なんか考えていると、さっきまでへいきだったのに、さむく、なってきた、なぁ…


？「なんや、こいつ。こんな寒い中ローブ一枚って、アホちゃうか。」

？「____が、連れて帰れってさ。連れて帰るんかぁ…。いややぁ。」

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